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とある転移者は王道を嫌う  作者: たまねこ
第1章
9/11

機獣乙女《ワルキュリア》姉妹たち2-2

 ☆




 零の目に映ったのは人間の見た目で判断するなら15、6歳くらいの少女だった。

 獣の耳が生えている━━が亜人や獣人種族ではなさそうだ。

 ナノの様子から彼女の姉妹━━姉なのだろう。

 体の右半分を機械的なナノとは違い、目の部分だけ機械的なそれだ。

 体の輪郭はナノよりも残念で、少女特有のわずかな膨らみも確認できない。

 だから一瞬美少年かと零は思った。

 手にしているのは緑色の弓矢だ。

 背中にあるはずの矢を収納するための筒がなかった。


 そのナノの姉らしい少女は鋭い表情だ。



「おい、ナノ。俺はいきなり攻撃されたぞ?」

「そんなことないのです。お姉ちゃんは優しいんですから、ご主人様の勘違いなのです」

「・・・・・・」



 本当にそう見えるのであればナノの頭をグリグリする必要がありそうだ。



「ナノ。姉の名前は?」

「お姉ちゃんの名前はカザノなのです。ナノと同じで機獣乙女ワルキュリアなのです」

「ナノより優秀だよな?」

「ハイなのです。自慢のお姉ちゃんなのです」



 ナノはにっこり微笑んだ。



 >名前:カザノ


 レベル:45

 種族:機獣乙女ワルキュリア

 称号:シスコンマスター、下着泥棒、妹の観察者、ナノのファンクラブ会長、今の私物収集家、暗殺者、妹の・・・・



 能力値はナノをはるかに上回っているが。



 ━━シスコンマスターって何だ?それに他の称号。



 それを称号にしてもいいものか。

 零はシスコンマスターという称号を凝視した。



 >スキル:鑑定習得



 ━━別にいらないが。



 携帯小説でよくあるスキルだがスキル習得はこんなに簡単でいいものか。

 ナノの姉らしい少女━━カザノの称号を簡単に鑑定した零はすぐに直感した。

 カザノがどういった性質の持ち主か。



 ━━変態だな。あれは欲求不満がピークに達すると平気で実の妹だろうと手を出す。



 かかわるべき相手ではない。

 あきらかな殺意を零に向けている。



 >スキル:エア・アロー

 >スキル:エア・スノー

 >スキル:暗視&遠視

 >スキル:溜め

 >スキル:風集め&超集中

 >スキル・・・・エトセトラ



「ナノ。ナノの姉は補充用の矢は持っていないようだか?」

「お姉ちゃんは風を集めて矢をつくることができるのです。ちなみにあの弓を風を集めて━━」

「━━エア・アロー━━」



 ナノの言葉を遮り、緑の矢が風を切り裂いた。




 ☆




 >スキル:超反応習得



 その声が頭に響くよりはやく。

 零は飛来した風の矢を掴んでいた。

 そのスキルのおかげで反応できたのだが矢の勢いを殺すことはできずに危うく持っていかれそうになった手を離した。


「ご主人様!?」



 ナノの悲鳴。

 矢の摩擦で皮がはがれて手から血が流れる。

 出血量はたいしたことないので零は気にせず倒れそうになりそうなのを耐えた。



 >スキル:痛覚耐性習得

 >スキル:自然治癒活性化習得



 手から滴っていた血は止血された。

 しかし傷口が完全にふさがることはなかった。



「はうわっ!?ケンカはダメなのです!?」

「これがケンカに見えるのか?」



 もし見えるのであれば眼科に行くべきだ。

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