まだありふれた日常
スマートフォンの画面が光る。誰かからのメッセージ。
差出人は・・・佐藤よう。
すぐにチェックする。
「おはよう。よかったら今日会いませんか?一時に橋の近くで待ち合わせしよう」
文面が目に入る。少しテンションが上がった自分に気が付く。
時計を見る。11時30分。早く準備を始めないと。私も一応女の子だから準備には相応の時間がかかるのだ。
寝癖が付いたままの髪の毛が鏡に映る。手で引っ張ってみても寝癖は元には戻らない。まだピンク色のパジャマも着たままだ。
今日は何を着ようか。迷うから、この前着た服でいいや。
急いで服を着替える。明るい七分丈のジーンズに赤と白のボーダーのトップス。
次に洗面所へ向かい、髪の毛をお湯で濡らす。タオルで軽く水気を切ってからドライヤーをコンセントに差し込む。
早く乾けー、と念じながらドライヤーを髪の毛に当てる。
髪を少し強めに引っ張りすぎたせいで開いた手からパラパラと何本かの髪の毛が床に落ちる。
10分かかって髪の毛が乾いた。量が多めのセミロングのボブ。
普段は化粧はしない。でもこっそりと色付きのリップクリームだけは付けている。
鏡の前でリップを引く。
上下の唇を数回、付けたり離したりする。
急いで部屋に戻りお気に入りの大き目の黄色いブレスレットを付ける。
これで完成。
バッグは何にしよう。というよりも、今日はどこに行って何をするんだろう。まだ聞いて無かった。
とりあえず去年の夏に買ったかごバッグをにしてみる。もうこんな季節か。