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第1話 プロローグと死亡フラグなオープニング

このゲームは、例の会社の商品です。

乙女ゲーム

『目指せ純愛!!ヤンデレフラグを折りまくれ!』



《ストーリー》

 プレイヤーのあなたは、高校の入学式の日に、「自分が転生者で、乙女ゲーム『Love Situation』の世界の主人公だ」と気が付きました。

 あなたは前世で、乙女ゲーが大好きだったので大喜び。しかし、運命は非情です。

 なんとこの世界はあなたの苦手な『Love Situation』[ヤンデレ版]の世界だったのです!!

 エンドは『ヤンデレ』『死亡』『純愛』の、三つの種類がありました。


――ヤンデレが苦手なあなたは、ヤンデレ要素を持つ攻略対象のフラグを折って、純愛エンドを目指すことにしました。








………………………………


「……愛してるんだ……、君が他の男の物になるくらいなら、……君を殺して、僕も死ぬ!」


 イケメンヤンデレさんがナイフを持って愛の告白をしてくれました。



 ありがとうございます。あなたの気持ちに、誠意でもって応えます。あれ?誠意を持って?……まあ、どっちでもいいや。



「『手に入らないから、私を殺す?』……ふふ、どうぞ?」


 いぶかしむヤンデレさん。気にせず「でも…」と私は言葉を続ける。


「私を殺しても、私はあなたの物にはならないわ」


 怯える顔も、泣き顔も見せない。だってヤンデレなんて怖くないもの。


「意識の無くなる最後の瞬間まで、……他の男のことを考えてあ・げ・る」


 ……あなたのことなんて、一秒たりとも考えてあげない、と言ったら、ヤンデレさんは泣いてしまいました。



 ヤンデレって本当にメンタルが弱い。だから嫌。



「……だったら、君の目の前で、僕だけ死ぬ!……それなら君の記憶に一生残るだろ!」


 喉元に突き付けられたナイフ。刺さったら、痛そうね。


「救急車も呼ばないし、三秒で忘れるわ」



 ……わかんないみたいだから、教えてあげたほうがいいかな?私って親切。



「……『死』が記憶に残る場合ってね、特別な人の場合なの。どうでもいい人が目の前で死んだって、……なんとも思わないのよ」



 だからあなたが目の前で死んでも、私はまったく平気。



「……じゃあ、どうすればいい!?君を愛してるんだ!!君しかいらないのに!」



 わからないことは質問する、これ基本。じゃあ、教えてあげようかな。

 研けば光りそうだし。ビジュアルは嫌いじゃないわ。




「私に好きになってもらえるよう、死ぬほど努力したら?」


………………………………


→ GAME START

主人公は鬼畜です。

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