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中学四年生の放課後1
これから三年間通うであろう通学路を、自転車で漕ぎ進んでいく。
初登校だっていうのにもうすっかり見慣れてしまっているその路は、寝ぼけ眼で自転車に乗っていても特に注意する必要など無いほど車の通りが少なく、信号機すら付いていないような田舎路だった。
良く言えば、のどかな田園風景と言った趣なのだろうが、俺達ぐらいの若人にとっては何の面白みも無いただのド田舎にしか過ぎない。
まだ肌寒い四月の風を感じながら自転車を走らせ、目的地へと向かう。途中、過去三年間、三月まで在籍していた懐かしの中学校を横目に、家を出てからものの十分足らずで到着した。
意外と早く家を出たつもりだったのだが、校門付近にはすでに多くの学生達の姿があった。きっと彼らは、遠足前の小学生のような心境なのだろう。希望に満ち溢れた顔を見れば容易に想像が付く。
俺は、無意識のうちに溜息をついていた。
学校周辺に植えられた見事な桜並木を見て、日本の四季の素晴らしさを感じることはあっても、それがこれからの高校生活への希望に繋がることは無い。
春という季節を憂鬱に感じなければならない惨めな自分と、注文して届かず仕舞いの商品への未練を断ち切るための溜息が、自然と洩れ出たのだ。




