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Ⅵ.
「―――異能力、第七形態。焔の陣。業火の先で焼き尽くせ」
「え……炎!?何で……今まではずっとシールドだったのに……!」
「火炎零魂の燈火……!」
俺が一言そう口にすれば、手からまたたく間に炎が網の陣を作りだし、その陣から一筋の炎を対象者に突き出した。
熱いのに、どこか冷たさを感じさせるような不気味な青い炎。
これが、望まずして異能力者となった俺の、お気に入りとしている能力だ。
ずっと、怪絽によって苦しみ続けた妹の苦痛を相手に味わわせるためだけに強化した異能力。
妹の苦しみを再現する炎だけが、俺の今の苦痛を忘れさせてくれる。
ツルミヨや撞依には動機が不純だとか何とか言われたが、仕方がない。
「やっ……ちょっ……っ!九条さん……っ」
「異能力、透過水壁」
「!」
「うぅっ……竪海くん……!」
「九条、すまないがここまでだ。藍菜は実戦経験が少ないから、ここまでにしてやってくれ」
「……わかった。悪い、藍菜」
「こ、こちらこそ……」




