なにひとつないうた
描けない日もあるのです。
言いたいことは たくさんあるはずなのに
なにひとつとして ことばにはならない
浮かんだ雲が流されて
ぽっかりあいた青空のよう
やりたいことだって たんまりあるはずなのに
なにひとつとしてかたちにはならない
積みあげることなく川原に散らばった
まぁるい石ころのよう
こんなことばもかたちも
なにひとつないところにだって メロディだけは
鼻をくすぐり くちびるからほどけて
相棒にはリズムまで連れてくる
でも そこには
ことばもかたちもないからっぽだから
メロディとリズムだけあるように見せかけたところで
じつは なにひとつないうた
ほんとに なにひとつないままでいられるほど
ぼくの青空や川原は鷹揚でもないから
なにかあるように見せかけたうた
だけど その
からっぽを埋めることすら叶わない
メロディも リズムも
べつに退屈な歌にはならないから
それって不思議なもんだよね
でも、描かねば(汗)