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196 親父越え

2024/11/29(金) PM5:01記 


本日はいい肉の日ですね。

あと私の職業に縁のある,いい服の日でもあるそうです。


いい服を着て,いい肉を食べに行くこともなく,今日が終わりそうですが。


一粒万倍日でもあるようなので,縁起も良かったみたいです。


では,昨日11/28は何の日でしょうか?


語呂合わせで推測するといい庭の日かな。


と思いましたが,フランスパンとかニッパーとかニーハイとか予想に反するものが多かった。


太平洋記念日や税関記念日でもあるのだとか。



私にとってはどれもピンと来ないし,何よりもっと馴染み深い記念日が他にあります。



それは何を隠そう,嶺南の暴れ馬こと我が父の誕生日です。


ちょうど私と30歳違うので,年齢は覚えやすい。


元々家族の誕生日は全員分,記憶している。


昨日が誕生日であることは分かっていたので,お祝いのメッセージを父に送るか一瞬迷った。


そして止めた。


近くに住んでいないし,プレゼントも用意していない。


明日の娘の誕生日祝いに,先日いくらかの心配りをいただいていた手前,何の返しもないことに引け目を感じて,おめでとうと言葉を贈るだけの行為が憚れた。


別に父にも母にも毎年贈り物をしている訳でも,連絡している訳でもない。


父の日や母の日も同様。


気が向いたら何かあげたり,メッセージ送ったり。


家族の記念日には無頓着な家系である。


だがしかし,昨夜の就寝時とあることに気づく。


そう言えば,誕生日を迎える父の年齢が祖父に並ぶのだ。


親父が親父を越えるのか。


祖父は持病を患っていたため,亡くなった当時でも平均より早く天に召された。


父も一向に飲酒喫煙を控える気配がないため,おそらく短命だろう。


連休で帰省すると最近は雀の涙だと推測される遺産にも関わらず,財産分与の話を必ずする。


死兆星でも見えているのだろうか笑



そんな訳で,いついなくなっても驚きはしないが,言えることは言えるうちにと思い,1日遅れはしたが1通のメッセージを送信した。



「〇〇歳おめでとうございます。〇〇(祖父)の記録に並びましたね。」


すると父からこう返ってきた。


「ありがとう。

〇〇(祖父)は誕生日の前日に死んだから,あと一年生きんとタイ記録にならんわ。」




……そう言えばそうだ。

私は祖父の誕生日も命日も記憶していたはずなのに,年齢が並んだだけで勝手に越えたと勘違いしていた。


父の言う通り,正確にはあと一年あるのだ。


タダでさえ,あと一日生きてれば誕生日だったのに!という覚え易い日に息を引き取った祖父だが,そもそも誕生日自体も日本人には馴染み深い日である。


私としたことがしくじった。


まぁでも昨日躊躇して送らなかった祝いのメッセージを届けられたのでヨシとしよう。


彼には誕生日前日に亡くなるという祖父の背中を追わずに,是非ともオヤジ越えしていただきたい。


そう思って,彼からの返信を既読無視した私でした。



以上,父と娘が末永く人馬宮のご加護を得られますように。

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