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166 見つめ合うおじさん達のプライオリティー

2024/10/20(日) PM6:07記 


昨日の仕事終わり,電車の中。


駅構内のパン屋で買ったコーヒーを片手に優先座席へ。


ローカル列車の座席にプライオリティーも何もない。


席を譲る場面に遭遇することは殆どないと言っていいだろう。


なんたって高確率で4人席を独り占めできるのだから。


たまたま,この日は普段より早い電車に乗ったため,4人席は一杯。


正確に言えば,大抵の人が対角線上に座っているので,空席率は50%なのだが,わざわざ25%にする勇気はない。


従って,やむなく空いている優先座席に腰かけた。



背もたれ付近にある車窓のニッチにコーヒーを置いて。


鞄は膝へ。


折り畳み傘はどこに置こうか。


とりあえず背中の隙間にでも。


後は目的の駅に着くまでボケーっとするだけ。


向かいの席に目を向ける。


仕事帰りと思われるおじさんが,私と全く同じ軌跡を辿ったであろうという居住まいで,こちらを見つめていた。


そうだよね。

最優先実施事項はコーヒーの置き場所確保だよね。

そこに置くしかないよね。

たまに倒れないか心配で,飲む時以外も手に持っちゃうよね。

あと傘も置き所に微妙に困るよね。


目は口ほどに物を言う。

見つめ合うおじさん2人は,写鏡のよう。


2人だけの世界。

今なら開けそう。

マジカルステージ。


傘をスティックに見立てられないこともない。


このまま2人で乗り続けていれば,終着駅の表示がMAHO堂に変わるのではなかろうか。


いや,きっとそうだ。


終点まで行っちゃおうか。どーしよ?(どーする?)




「次は〇〇,〇〇」


あ,降りよ。


暇潰しの妄想に終止符を打ち,降車の準備をする私。


おじさん,裏切ってごめん。

(勝手に同志にされて勝手に裏切られるおじさん。)


降りる前に,かつての仲間の姿を目に焼き付けておこう。




彼はいそいそと降りる準備をしていた。


やっぱりマジカルステージ開けるかも。


以上,おじさんのテカテカヘトヘトは年中無休!

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