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第12話 幹部会議

前回までの超粗筋

事故で異世界に転生した水野葵ちゃんは転生者まみれの国で、そこの王として君臨する500年前に転生していた織田信長に気に入られて色々あって1度は離れたけど再び信長の所は戻るのでした。

 魔剣完成から3ヶ月、アルボさんの洞窟周辺で修行した私はある程度魔剣を使いこなせるようになっていた。


 そして、いつものように森でのトレーニングを終えた私が洞窟へ戻ると甲冑を着た見知らぬ男がアルボさんと話していた。


 男性は私に気づくと振り向き、跪いて話し出した。

「水野葵様ですね、私は信長様の使いで来たザックと申します」


ザックさん曰く、信長さんが急ぎの用で私を呼んでいるとの事。


 「飛竜を待たせてあります。さあ急ぎましょう」


 ザックさんはアルボさんに深くお辞儀をすると、早足に洞窟の外へと出た。

 外には龍二さんのよりも1回りほど小さい竜が待機していた。


 約1時間ほどでオワリの城に降り立った飛竜。 案内された地下会議室には巨大なテーブルが設置され、4名の男達が座っていた。


中心の最も豪華な席に座っていた信長さんが私の顔を見るなり立ち上がり大声で喋り出した。


「久しいな葵よ!これで皆揃ったな!」


 まあ座れ、と勧められドアから1番近い席に座る。信長さんも自分の席に座ると、神妙な顔になり再度話し始めた。


「俺含め、ここの部屋に集まった6人は言わばこの国オワリの最強戦力だ…」


 話し始めた信長さんに対し、横に座っていた少年が勢い良く口を挟む


「オレ達4人はともかくよぉ、この弱そうな女が最高戦力だ?オレは認めないぞ!!!」


「徹…少し落ち着け、俺の人選に文句があるのか?」


 信長さんが睨みを効かせ、徹と呼ばれた少年を見つめると徹は舌打ちをして自分の席に座り直した。


「さて、話を進めよう…先日オワリ各所に現れた本来生息せぬはずの魔獣の出現理由が判明した」


『魔獣ってカリダの事ですか?それに各所って…』


 魔獣と言う言葉に思わず発言すると、信長さんはゆっくりと頷き、驚きの事実を口にした


「そうだ、それらの魔獣から魔法で凶暴化させられた痕跡が見つかった。」


「なるほどな!その魔法を使った奴らをぶち殺しに行くんだな!!」


徹が荒々しく言い放ち、不敵に笑った。


 「そうだ…が、この国の技術では僅かな魔力の残滓から術者を割り出すまでには至らなかったのだ。故に専門家に頼む事にした。」


 「葵、徹、貴様ら2人はまだこの国から出た事が無かったろう、良い機会だ俺と来い。」


 そして、翌日の夜明け前に信長さんは私達と数名の部下を連れ、商人に扮して城を出た。

 

 『信長さん、1国の王がこんな簡単に国を離れて大丈夫なんですか…?』


 私の問いに信長さんはニヤリと笑い、免許証程の大きさのカードを1枚取り出した。そこには【Sランク冒険者 ジョン・D】と書かれていた


 『え…これって…確か国家に所属してるとギルドには…』


 「当然公式には違法だ、Sランク冒険者ともなるとどの領地でも色々と動き易い」


 他にも実はギルドに所属している各国の上層部の人間は複数人存在するらしい。


 そして私達は適度に休息を挟みながら延々と適度に舗装された砂利道を歩き続けた。

 どこまでも続く草原には鹿や兎、時には淡く発光する見た事も無い生物など自然のままの姿が残っていた。


 そして日が暮れる頃には私達は簡易的なテントを設営し皆で野営の準備を整えた。


 焚き火を囲い、道中で狩った鹿の肉を食べる頃には野営の準備も一段落し、私達は初めてお互いのことを話し合う機会を得た。


 今回の旅は合計7人

信長さんを始めとして

幹部?の 私と徹君

国王親衛隊隊長の林さん、そして隊員の

アーノエルさん

佐野さん

リアーヌさん

の3名だ。


1日の旅で疲れ切った私はすぐに眠ってしまった。その夜、不思議な夢を見た気がする。


 上手くは思い出せないが…巨大な龍がこちらを見つめ、何かを伝えようとしている…そんな夢だった。


 「どりゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


 気合の入った叫び声と轟く様な轟音で目を覚まし、テントを出るとそこには巨大なハンマーを持ち信長さんと向かい合う徹君の姿があった。


 「待っていたぞ葵!やっと目を覚ましたか、お前も加われ俺が直々に稽古をつけてやる。」


 信長さんがそう言い私の方へと歩み寄る。

途端、私の全身に一気に危険信号が走った。


 理解とかそんなものでは無い、動かねば死ぬと言う原始的な本能で私の体は大きく後退した。


 「おお、よく魔剣無しで今のを避けた…予想以上に成長している様だな」


 「俺を無視してるんじゃ…無ぇよ!!!」


 その後ろから徹君が信長さん目掛けてハンマーを振り下ろす。だが信長さんはそのハンマーを軽々と片手で受け止め、私の方へ笑いかけた。


 「さあ、剣を取れ!2人でかかって来い!」


 『魔剣さん!!』


 私の呼びかけに応える様に魔剣は自分から鞘を飛び出し私の手に収まる。


 「行くぞ主人様(マスター)!あのオッサンに一泡吹かせるぞ」


 私の全身に力が漲る。これが私が3ヶ月で身につけた技の1つだ、魔剣からの魔力を血液の様に体内を循環させる事により魔剣と同調している間だけ身体能力が大きく上昇させられる。


 『行くよ…!はぁぁぁっ!』


 地面を強く蹴り、体を一気に前進させ信長さんの足を狙い下段から斬りかかる。


キンッ!


信長さんが私の剣を刀で受け流す、鉄同士のぶつかり合う乾いた音が鳴る。私は返す刀で切り上げるように肋骨の間を狙う。


 しかしその途端、全身に鋭い痛みが走った。思わず周囲を見渡すと周囲の草が全て焦げている。


 「邪魔すんなよ…今俺がやってんだろが!!」


 徹君が全身に某サイヤ人のようなバチバチとしたオーラを纏い私と信長さんを睨みつけている。そしてその目は信長さんだけを捉えた。途端、徹君が消えた。


 そして次の瞬間信長さんの横に現れ、攻撃を仕掛ける、それを信長さんに防がれてはまた別の所へ移動してを延々と繰り返していた。


 「やれやれ…また暴走か…」


 信長さんは自分へと振り下ろされたハンマーを難なく掴み、徹君からハンマーを奪い取った。そしてそのまま徹君の腹へと強めの蹴りを入れた。


「2人でかかって来いと言っただろう…」


 ハンマーを投げ返すと再度両手に刀を構えて、信長さんが私達の方へと向かってきた。


 「オバサン…邪魔だけはすんなよ」


 『おばっ…』


 最初は何度もお互いを巻き込んでいた私達だが、昼になる頃には私達はいつの間にお互いの動きが読める程まで息を合わせられる様になっていた。


 「のぶな…ジョン様!そろそろ出発せねば流石に不味いです!」


 林さんにそう言われるまで私達は夢中になって攻撃し続けたが、信長さんには傷一つつける事が出来なかった…だが私達が信長さんの本当の強さを目の当たりにするのはその夜の事だった。

約1年ぶりの投稿ですがこの作品を覚えてる人はいるのでしょうか?

またボチボチですが近々続きを投稿する予定です。

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