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トンボの髪の毛

大学の入学式、俺は例のスーツを着ていった。しかもその日は雨だった。我ながら例のスーツと似合うと思った。


さて、話はその日の面々の髪の毛の色だ。校内がトンボの色鉛筆に埋まった初日である。


髪の毛の色はアイデンティティだと、少なくとも俺はそう思っている。


しかし、やはり高校卒業後の特権として、その行為は「イキリ」と言われる。非常に厄介だ。


高校卒業後の髪染めはいずれも普遍的なものになってしまう。茶髪であろうが金髪であろうが紫であろうが。


つまり黒が正義なのだ。そういう俺は最初茶髪にし、銀髪にし、金髪にし、黒に戻し、色落ちし、金髪になり、濃いめの黒にし、やがて茶髪の状態だ。


大人は「大学3年になったら結局黒に戻すからねー」と呑気に、けれども多少の確信を含みながら言うが、それは間違いない。


結局のところ、俺はある種のアイデンティティを得ようとしたが、周りの「イキリ」に阻まれ黒に戻した。


俺はその時、大学3年になったら、つまり皆が自身の髪の色を黒に戻し始めたら、目が痛くなるほどの暖色に染めようと思ったが、おそらくバイトをしているので諦めた。


ちなみに入学式の日、俺は金髪だった。


改めて言う。


「髪染めとスーツは不均衡だ。」

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