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青山のスーツ
6年間、ずっと学ランを着ていたのに、急にスーツという着心地の悪い服に着替えさせられる。
そもそも大学の入学式にスーツを着なければならないという習慣が良く無いのだ。
実際のところ、就活まで着ないのだ。
なぜスーツというのはあんなにもピチピチなのだろうか?
洋服の青山の店員に文句を言いつけると「学ランとは違うので、、、」と言われた。そのくらいは分かる。
革靴も小さいものを選ばされた。最初に渡されたものは実際に入らなかった。ざまぁみろ。
こういうのは、見た目は痩せているがそれよりかは結構太ってるよ? の大敵である。
洋服の青山と言うのは名ばかりで、売っているものは大抵スーツだ。
結局、俺は紺色とか藍色とかの普通のスーツではなく、喪服のような真っ黒のスーツを購入した。
喪服で大学デビューするのだ。このような厭世的なスーツで大学に行くことは自分以外を卑下するようなものだが、まぁこの小説のコンセプトに合っているので良いことだ。