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どうか散りゆくその日まで  作者: 札神 八鬼
一月の花弁少女達
2/2

梅の花弁少女①

花の名前:ウメ


花言葉:不屈の精神、高潔


科・属名:バラ科サクラ属

英名:japanese apriot

和名:(ウメ)

出回り期:1~4月(最盛期は2月)

日持ち(一枝):3日~一週間程度

カラー:赤~ピンク、白


その他:『無罪で流された主への言葉』


『万葉集』にも(うた)われ、平安時代以前は

「花」といえば梅のことを指すほど、

日本人に愛されてきた花です。


菅原道真(すがわらのみちざね)が九州へ下る際、

庭の梅との別れを惜しんで歌を()むと、

一夜にして梅が都から飛んできたという、

太宰府天満宮の「飛梅(ひばい)伝説」も有名です。


花言葉も無実の罪で流された道真のことを連想させる

ものとなっています。


現在でも花や枝ぶりを愛でたり、実を食用に用いるなど、

日本人の生活には欠かせない植物となっています。










一年の始まり、一月。


そんな僕は偶然梅の花弁少女に出会った。


光に反射して輝く銀色の髪と、

ルビーのような深紅の瞳が美しい少女で、

純白の花弁のドレスに身を包み、梅の形をした花飾りをしていた。


ふと、少女の深紅の瞳と目があった。



「あら、あなた私が見えるのね」


梅の花弁少女はふっと上品に笑うと、

僕に近くに来るよう手招きをする。


要望通り来てみると、花弁少女は満足そうに笑った。


「光栄に思いなさい

一月の最初に私を見れたことは、とても幸運なことよ」


梅の花弁少女は梅の花を玉座のように座りながら、僕を見下ろしていた。


そして、とても高貴な雰囲気がする少女だった。


きっとこの性格は花言葉の一つである高潔から来ているのだろう。


「あの、一つ聞いても良いですか?」


「あら、何かしら

言っておくけど、つまらない質問は答えないわよ?」


「どうして僕には、あなた達花弁少女が見えるのでしょうか」


梅の花弁少女はきょとんとした顔をした後、

呆れた顔で僕の質問に答えた。


「そんなの私が知るわけないじゃない

分からないなら自分で考えてみることね」


まあ、それもそうか…

まだ彼女達が見えた理由は分からないけど、

もしかしたらいずれ、分かるときが来るかもしれない。


僕が考え事をしていると、花弁少女が何やらぶつぶつと呟いている。


「……………花弁少女………ねぇ

良いわね、気に入ったわ

これから私達のことをそう呼びなさいな」


「では、これからはそう呼ぶことにします

あなたは、梅の花弁少女なんですよね?」


「ええ、そうよ

私は一月に早く咲くの。サクラよりもね

最初に春の訪れを祝福するのはこの私!

これから私と接するなら、よく覚えておくことね」


「宜しくお願いします、ウメさん」



一年の始まりである一月。


まだ肌寒く、少しずつ春になっていく時期。


一番最初に出会ったのは、梅の香り漂う高貴な花弁少女だった。

こんな感じで、出回り期によって、

各花弁少女が何月編まで登場するか決まります。

梅の花弁少女の場合は、四月編まで出てくるので、

合計四回登場し、そこで散ることになります。


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