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3話:記憶と教会

こんにちは。よく美醜に関する話を聞きますけれど、俺としては外見よりも心の美醜を気にした方がいいと思ってます。心が醜いのは嫌われ者の原因ですからね。


◇◇◇


目を覚ますと木の天井が見えた。どうやら室内らしいが、状況が飲み込めない。俺は少し記憶を手繰った。



俺はカズヤ。本名は渡辺一也だ。会社で上司にちょっと反発意見をしたら厄介払いでリストラさせられた。親類縁者とは上京後ほとんど連絡を取ってなかったから遺書も簡単に「生活出来なくなったから死にます。」と書いて廃ビルから身投げした。ここまでは普通だった。


次に目を覚ましたらローブを羽織った顔も隠してる奴が目の前に居て「これから試験を開始する。資格を示せ。」とかいきなり言われた。


その直後風がそよぐ草原。せせらぎを奏でる小川という風景が目の前に広がっていた。

一瞬だが(あ、ここが天国か。)とか思った。

そして少し散策しているうちに俺に対して殺意を抱いた巨大蟻が現れた。最初は足の震えと現実逃避で動けなかったさ。ただ、近づいてくる巨体に危機感を覚えて全力疾走で逃げた。

そこから紆余曲折を経てローブ野郎に「試験に合格したから新世界の不条理を受けてこい。」と言われていきなり別世界に飛ばされた。


「えっと、その後は〜。」

「おや、お目覚めですか?神の試験を突破したお方。」

そのたおやかな声の主を見て一瞬見惚れた。きらめく金髪と健康的だがスッキリした顔立ち、そして意志の強そうな碧眼。ロリでなければドストライクだった。

そこまで考えたがすぐに思考を切り替えた。

「えっと、巫女さんですか?ここは?なんで俺はこんなところに?」

「えぇ、私は巫女見習いのカルネと申します。ここは草原エリアで神の試験を突破された方が召喚される教会の裏小屋でございますよ。貴方様は召喚された時に意識を失っていたので教会のベッドに寝かせようとしていたのですが………」

「あぁ、もしかして神の試験を突破した人はできるだけ秘匿にしたかったとか?」

「ご理解が早くて助かります。それにしても草原エリアの神の試験を突破されるなんてすごい偉業ですよ!」

「はい?」



巫女のカルネさん曰く、草原エリアの試験を突破した人は実に130年ぶりらしい。

他のエリアはクリア方法を知らされてから試験を行うが、草原エリアはヒント無しで答えを出す試験らしい。つまり抜き打ちで全く知らない答えに辿り着かないといけないまさしくマゾゲーだそうだ。ちなみにカルネさんに答えを聞いたが知らないと言われた。ますますローブ野郎をぶん殴りたくなった。


ある程度話を聞いたところでカルネさんが神官を呼びに行った。

(精霊はいない…のか?)そう思いあの時の様に見えないものが見える感覚を呼び起こした。

(精霊が見えるから精霊視とか名付けよ。)


ある程度集中したら精霊のささやきが聞こえたので目を開けた。

(2度目とはいえ幻想的な風景だ。)

精霊たちの踊りをある程度鑑賞した後これからここに来る神官について精霊たちから話を聞いた。


精霊たちの拙い言葉から神官のことを聞き、ある危機感を感じたので数匹の精霊に外への連絡を任せた。その時、外から足音がした。


神官がドアを開けて室内に入ってきた。

胡散臭そうな雰囲気とふくよか過ぎる体躯。そして短剣。俺の中の警鐘はガンガン鳴り響いてる。


「あんたが神官さん?ずいぶんと身なりが良さそうだけど。」

「ええ、私がこの草原教会の神官ロイドでございます。」

「ふーん。ならさ神の試験の正解ってなんなのか、知ってる?」


(なんかさっきから神官にARポップみたいなノイズが見えるな。気になるし()()使っとくか。)


「ふーむ、私もこの教会の神官になってから初めての試験だった故に存じ上げておりません。ところで貴方様のお名前は?」

「ああ、これは失礼を。私はカズヤと申します。」(AR表示が鮮明化してきた。えっと、名前と役職、称号、罪科と)


「ではカズヤ様。ようこそ。新世界フローレイティアへ。そして、さようならでございます。」


ロイドは短剣を素早く構えると俺に突撃してきた。

が、あの巨大蟻に比べれば簡単に躱せる。

俺に躱されたのが意外だったのかロイドの振り向くタイミングがズレた。そしてあえなく俺のキックがヒット。窓から屋外に吹っ飛んで卒倒していた。



「ふー。あっぶねー。精霊から前情報聞いてなかったらやばかったな。」


このロイドとかいう神官はエセ神官で神託どころか魔法、錬金術、精霊術の全てが使えないらしく、そのうえで村民から金を巻き上げる巻き上げるの「最低」神官と精霊たちが言っていた。


「俺のAR表示で見える称号と罪科もやべぇな。」

<罪科:窃盗、無銭飲食、詐欺、殺人、脅迫

<称号:守銭奴


さーてっと、この一件はどうすりゃいいのやら………


◇◇◇


さすが私のカズヤ。これから幾度の試練を経て私に愛されに来てくれるかしら?

まだまだ読みにくいかと思いますがよろしくお願いします。

※カズヤの身体能力は試験時同様全て解放済みですが、カズヤの認識もしくはイメージする範疇でしか今のところ使えません

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