10話:迷宮の石部屋
ダンジョン編スタート!
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こんにちは。失敗を悔やむより成功する喜びを優先しろとよく職場の先輩に言われてました。悔やんでる暇なんてありませんよね!
◇◇◇
「う、うーん」
俺が目を開けるとそこは天然の石部屋だった。状況が混濁しているからゆっくり思い出した。俺のミスを…
俺はカタザキ侯爵三男セイルフィードを謀反派首領として追い込み拘束するつもりだった。だが、セイルフィードは俺の証拠とエイナム執務官の証言で諦めたかのように地に座した。そこで拘束する必要はないと判断した………してしまった。セイルフィードは最後の悪あがきに都市ごと迷宮化とすると言い、魔術を発動した。そこまでは覚えている…
(いや、落ち込んでる場合じゃない!早くしないとカタザキ侯爵様が殺されるし下手をすれば領民に被害が出る。早く手立てを………)
そこで石部屋の隅で団子状に密着している精霊たちと半亜人の子どもたちが気絶してるのを見つけた。
(えっと、AR表示っと…精霊たちは恐怖状態、亜人たちは気絶と…)
そこで俺は自分のスキルに精霊たちを冷静にさせるスキルがないか思いついたが………自分のAR表示を試したことがない
(えぇい!なるようにしかならん!来い!)
気合いで自分のAR表示は出た。だが、精霊情報は安定していない。精霊たちの精神異常のせいだろう。
(おっと、スキルスキルえっと〜、原始魔法と精霊術の中にはない。錬金術スキルは適性不明?あんのか?そんなこと。………っとととあった精神系スキル。バフとデバフ耐性の2種類か………あった!冷静沈着スキル!なになに〜。常時発動型スキルでリンクスキルと併用することで目的の相手も一時的にどんな精神異常も無くなる。なるほど〜。これしか持ち合わせがないしやるか)
「『第一術式連結』発動!」
俺は精霊たちとのリンクを行い、数瞬後には精霊たちの恐怖状態も抜けた
「ふぇ?あったかい?あ!カズヤ〜。」と数々の精霊に取り囲まれた
精霊たちには「カズヤがいればだいじょぶ〜」と謎の信頼をされている
「じゃあ、精霊たち。今から俺が言うことが間違ってないか教えて?」
「は〜い」
「ここは魔物の迷宮?」
「うんっとね〜。魔物はたくさんいるけど迷宮は魔族だけしかつくえない〜」
「魔族ね。じゃあ、次は他の精霊たちや人間たちの位置は分かる?」
「ごめんね。マナが多すぎて分かんないや」
「分かった。あとは〜、マナが多いってことはみんなが使える魔法も効果が高くなったりする?」
「そこも初めてだから分かんないや」
(予想以上にキツいな…サーチスキルはあるかもしれないけど俺は持ってないし…魔物が多くいる状況だとエルの言ってた俺の代償だって考慮しなくちゃいけないし…なにより精霊との連絡方法が………)
「迷ってても仕方ない。精霊たちはあそこで気絶してる亜人を治癒して?俺はリンクスキルで他の精霊を探してみるから」
「あーい!」
(第一目標はエルとのリンクだ。お小言は承知で伸ばせるだけリンク先を伸ばす!)
(上はすぐに地上か…横は意外と広い。下はかなり深そうだな………もう3kmはリンクを伸ばしたか。エルは見つからなかったが……侯爵様の賢人精霊は見つかったからまだ僥倖だろう。意識のある精霊たちには周辺にいる人間や亜人たちに平静を取り戻す魔法を使ってもらったからいいとして……)
その時、同じ石部屋にいた亜人たちが目を覚ました。
「う、うーん。ここは?」「猫?」「ご主人様の臭いしない?」「暗い〜」「みんな落ち着きなさい」
(ここはフレンドリーにしつつAR表示でささっとこの子達の情報を得よう)
「やぁ、こんにちは」
優しく声をかけたつもりだったが亜人たちは警戒の色を出した。
「危害を加えるつもりはない。ただ力になってほしい」
そこでトカゲのような亜人が返答した
「力に……ですか?」
「そう!ここは魔族の迷宮らしいからその子どもたちを連れて外に出てほしいんだ。武装してる君にしか頼めない」
「確かに私はドラゴニュート奴隷師団の1人ですが…この子らを外まで連れ出せる自信は……」
「大丈夫。出口はすぐ近くだし、この子達は猫族と犬族の半亜人だから危険な気配は分かるはずだ。5人で力を合わせてまずは地上に出てくれ」
「わ、分かりました」
出口までの過程で誰か居たら無理のない範囲で助けつつ出口に行くことを念押ししてドラゴニュートの亜人にあとは任せた。
「さてと、俺はダンジョンアタックといきますか!」
◇◇◇
カズヤの冷静さ………蕩けちゃいそう〜。頑張るのよ〜カズヤ♡
思ったより長引きそう………