またどこかで出会う
風の音がする すきま風だ
目に見えない存在が自在にその姿を変えて
音に成り代わることで自身の存在を主張している
時に軽く 時に重く
時に高く 時に低く
そこに擬音を紛れ込ませ感情を派生させる
楽しげであり優しくも温かい温もりを感じさせ
物悲しく寂しげでおどろおどろしさを醸し出す
いつも身近な姿なき隣人に
人は愛着を持って接し
時として理解しがたい激情に困惑する
けして分かつことのない存在に
意識せずともまたどこかで出会う
入り込んだ無粋な風が
今日も頬を撫で 髪をさらう