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想い

作者: 遊梨

櫛引沼伝説を基にした短編から浮かんだショートです。。

脇腹を抉る痛みに思わず手を当てれば、掌は赤く染まった。

湯殿の中は自らの血で染まり、次々と繰り出される槍が我の命を削っていく。

友と信じた彼等もやはり我を裏切るのか……

ハハハ…乾いた嗤いが込み上げ、命を下した母上や叔父達への憎しみが心を黒く染めゆく。

我から将軍職も吾子も奪いまだ足りず命さえ欲するのか。

命の最後の滴が我の躰から流れ落ちる瞬間、黒く染まった魂は黒き翼の鳥となり空を駆ける。

目指すは憎い母上の住む鎌倉の地では無い。

導かれるように北を目指し辿り着いた小さな庵に我の最愛がいた。

彼女の祈りは我と喪われた吾子に向けられ、執着と言う名の想いを串に込める。

我は魂の欠片を貴女に遺し、身に纏う黒衣を脱ぎ捨て彼女が抱き締めていた吾子の魂と共に輪廻の輪へ向かい行く。

また貴女に巡り逢える事を望みながら………










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― 新着の感想 ―
[良い点] 哀しくも熱い思いが、ほとばしり出て来ている感じがしました。 良かったです。
[気になる点] 「我」の使い方がうまい
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