71話 装備を買おう part2
予想以上の結果が出た。
自分を【鑑定】してみる。
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種族:合成魔〔装備〕
Lv:196
HP:196,999
SP:196,999
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《種族》の隣に〔装備〕の文字があり、装備扱いになっているようだ。
何でもありだな、合成魔。
ちなみに、【物理攻撃無効】はちゃんと発動していた。
しかも、隠れていない顔などにも適応されている。
他の俺の持つスキルも、装備中だったら、アリスも使用可能になっていて、ASを使う時の消費SPも、俺負担になっていた。
他のステータスも、装備部分だったら適応されている。
つまり、隠れていない顔の部分以外は、物理、魔法防御共に、2万近いと言う事になる。
物理攻撃力は、残念ながら反映されなかったが、魔法攻撃力は、俺が主体となって使う場合はしっかり反映されていた。
そう言う訳で、アリスさんのステータスは、
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名前: アリーシア・g)&*,€♪
装備:合成魔〈特殊装備〉
Lv:13
HP:106
SP:216〈+196.999〉
ATK:70
MATK:130〈+19.699〉
DF:45〈+19.699〉
MDF:114〈+19.699〉
《特殊系》
鑑定Lv.2〈鑑定Lv.10〉、
真眼Lv.1〈真眼Lv.3〉、
〈検索〉、〈探知Lv.4〉
〈万物吸収〉、〈収納Lv.10〉、
〈水創造〉、〈自動超回復Lv.6〉
〈スキル操作補助〉
《意思系》
〈念話Lv.7〉、〈同族意思疎通〉
《攻撃系》
〈対魔力攻撃〉、〈吸血〉、
〈天弓術Lv.4〉
《移動系》
〈空中移動Lv.7〉、〈地中移動Lv.4〉、
〈高速移動Lv.4〉
《耐性系》
〈不死身〉、〈暗躍Lv.5〉、
〈物理攻撃無効〉、〈異常状態無効〉
《強化系》
〈暗視Lv.10〉、〈追尾Lv.8〉、
〈身体大強化Lv.5〉
〈物理攻撃大強化Lv.6〉、
〈物理防御大強化Lv.7〉、
〈嗅覚強化Lv.5〉、〈聴覚強化Lv.3〉、
〈視覚大強化Lv.6〉
〈回復大魔法強化Lv.1〉
《操作系》
魔力操作Lv.2〈魔力超操作Lv.2〉、
〈糸大操作Lv.7〉
AS:
《魔法系》
回復魔法Lv.1〈回復大魔法Lv.1〉、
〈土魔法Lv.5〉、〈風大魔法Lv3〉、
〈闇魔法Lv.5〉
《結界系》
防御結界Lv.1〈防御結界Lv.3〉
《特殊系》
〈超光学迷彩Lv.4〉
《強化魔法系》
〈クイックLv.10〉
《物理攻撃系》
〈高速射出Lv.3〉、〈刺突Lv.2〉、
〈突進Lv.4〉、〈嚙みつきLv.10〉
《移動系》
〈浮上Lv.5〉
《生成系》
〈即死毒Lv.2〉、〈強化糸生成Lv.2〉、
〈魔矢生成Lv.3〉
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偏り過ぎなステータスが完成した。
まぁ、これ以上の装備は無いし、俺が装備になる方向で行こう。
「で、せっかくだから、見た目も好きな服を選んでいいぞ。どうせどれを着てもスペック変わらないんだし」
アリスも女の子だ。見た目くらい自分で決めさせてやろう、と言う配慮だ。
アリスが、服の置いてある棚の前に行き、色々吟味した上で、とある服を持ってきた。
「じゃあ、これで」
その服は、まるで舞踏会で着る様な、ヒラヒラとした大きなドレスだった。
「却下で」
もちろん即答した。
「えー、好きな物を選んで良い、と言ったのは兄さんじゃないですかー?!」
「パーティーに行くんじゃないんだ! もっと動きやすい服を選べ!」
アリスが、渋々といった様子で棚に返しに行った。
そして、すぐ戻ってくる。
モサモサとした手触りの良さそうな生地の服に、完全に頭を守れる様なフルフェイスのヘルム?
「これ可愛いと思うんです!」
猫の着ぐるみを嬉しそうに持ってくる。
「うん、可愛いけど却下」
何故こんな物が置いてあるんだ、この道具屋は。
「えー、兄さんワガママです……」
アリスが頬を膨らまし、抗議してくる。
「アリスさんや」
「何ですか? 兄さんや」
「これから戦いに行くんだぞ?」
「わかってますよ? だから頭を守れる様に……」
アリスはアリスなりに考えていた様だ。
「こんな視界の悪いもん、ダメに決まってるだろうが! それに、さっきのドレスよりはマシとはいえ、これも十分に動きにくいからな!?」
保護者代理として、アリスの完全にズレている考えを否定しておいた。
「わかりました。動きやすくて、視界が良い服を選べば良いんですね?」
理解してくれた様で、すんなり着ぐるみを棚に戻しに行った。
なんか心配になってきた。
見に行ってみるか。
アリスに声をかけようすると、一生懸命服を選ぶ様子が見られた。
あんなに考え込んで、あいつも何だかんだで女の子なんだなー。なんて、温かい気持ちになった気がする。
ところで、そのアリスさんを唸らせる服って一体なんだろうか?
アリスの視線の先を見ると、其処には、超絶きわどいビキニアーマーがあった。
え、マジで? いや、まだそうと決まった訳ではない! きっと近くに気になる服があるだけだろう!
そう自分に言い聞かせ、アリスを眺める。
「よし!」
そう言い、アリスが手を伸ばした先には、例のビキニアーマーがあった。
「『よし!』じゃねーよ!! こんな物、子供のお前が着れる訳ねーだろ!」
伸ばす手を制止し、全力でツッコミを入れた。
「子供!? 私はもう大人ですから! ちゃんと着れますから! 訂正して下さい!」
「うるせー! 20になってから出直してこい!」
「わかりました! 着れるかどうか、ここで証明してあげましょう!」
アリスが、自分の着ていた服に手をかける。
「ちょ、バカやめろ! こんな所で着替えるな! それに、お前がそんなビキニアーマー着てたら、保護者の俺が憲兵に連れて行かれるだろうが!」
………
……
…
服は、無難にレザーアーマーで決まった。
「お決まりでしょう……か……?」
女性店員が話しかけてくる。
うん、最後の方、俺の仮面を見てドン引きしてましたね。わかります。
「これと同じ物一式と、この子のサイズの下着を3セット下さい」
まぁ、下手に動いては怪しまれるかもしれないので、あくまで堂々と対応した。
「あ、はい! わかりました。それではこちらに」
そう言って、女性店員はアリスを連れて行った。
今更だが、女性店員でよかった。