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36話 合成魔VSフォレストウルフ

本日は余裕があったので2話目投稿です

余計な事を考えていたら、森狼達が出てきた。



おお、完全にこいつらの事忘れてた。


取り敢えず


ヒール!×10



––––––––––––––––––––––––––––––

Lv:27

HP:336 / 593

SP:81 / 172

––––––––––––––––––––––––––––––



こんなもんで良いだろ?


後は任せたぜ! マッドワーム!


………

……



逃亡


着地


変身


狩場←今ここ



木の陰から覗いてみる。


マッドワームはもう倒したっぽいな。


1匹は空を見張り、もう1匹は森や地面を見張っている。


今度は下も見張るようにしたのか。


そのお陰で解体役が1人しかいないので、持ち去るまでに時間がかかっている。



何で、一隊辺りの狼数を増やさないんだろう? 増やせばさっさと持ち帰れるのに……。


まぁ、そんな事されたら困るけど。



よし、【超光学迷彩】を発動しつつ【空中移動】で森狼達に近付く。



………

……



流石にこれで終わりだろう。

やっとこの作業から解放されるんだな……そう考えると少し寂しい気がしなくも無い。


例えるなら、『あんなに嫌いだった部活も、いざ引退となると少し寂しい』みたいな感じだな。


おっと、前回の失敗を忘れたか? 最後まで油断しちゃダメだ。



解体中の森狼の後ろに回り込み。


下級兵士に変身し、銃口を後ろ足に向け…………引き金を引いた。


………

……


銃声が森に響く。


後ろ足を撃ち抜かれた森狼は、足を引きずりながら俺から距離をとろうとする。


逃がさない!


追い打ちをかけようとすると、怪我した仲間を庇うように他の2匹が応戦してきた。


逃げてくれれば良かったのだが……、逃げないのなら戦うしかないだろう。


連射するが、すばしっこい森狼には中々当たらない。


いくらスキルで補正されてるとはいえ、銃の扱いに慣れてない素人では当てるのは至難の技だろうな。


狙いは良いんだけど発射の反動でズレるし、煙で視界が悪い。



自分のステータスを確認する。


––––––––––––––––––––––––––––––

Lv:32

HP:2964 / 3299

SP:465 / 3299

––––––––––––––––––––––––––––––


まだまだHPは余裕そうだな。


しかし、素早い上に一定の距離を開けられているので、当たらない。本当に、カスリもしないじゃん………。



「ガゥッ!」


突然背後から声が聞こえてくる。


動ける2匹に意識が行き過ぎて、1匹の森狼に後ろを取られている事に気がつかなかった。


そう、後ろ足を撃たれた森狼だ。


「しまっ…!」


後ろを振り返ると同時に自分の銃を持っている右手が斬り飛ばされる。


あれ? 物理攻撃は効かないはずなのに……。


そう考える間にも、森狼が追撃しようとしてくる。


そこで、森狼の身体が、薄く緑色に光っている事に気が付いた。


なるほど、魔法攻撃か!!


そう言えば森狼は【風魔法】を使えるんだっな。


「ガゥッ!」


森狼が再び【風魔法】を使ってくる。


急いで横に転がって逃げる。


自分のいた所をチラッと見ると、透明な何かがそこを通り過ぎていくのが見えた。



とにかく、早く武器を取り戻さないと!


自分の斬り飛ばされた右腕を探す。


あ、逆方向に逃げたせいで遠くなってる。


「くっ、迷っていても仕方が無い!」


全速力で腕に向かうが、


それを予想していたかの様に、森狼達が俺と落ちている腕の間に割り込んで来た。


止まっていては、次の攻撃が来てしまう可能性があるので止まる訳にはいかない!


その2匹が魔法の詠唱を始めたのか、緑色に光る。


「させるかぁ!」


収納空間にしまっていた鉄剣を取り出し森狼達に投げる。

勿論【射出】を使ったので、中々の速度が出ているのだが、


流石は瞬発力特化の狼型の魔物、咄嗟に反応し、詠唱を止め横に飛び避ける。


えー、あれを避けるのか……。


いや? 別に悔しくねーし? 道を開けさせる為に2匹の間に投げたから避けれただけだし? 当てようと思えば当てれたし!



誰かに言い訳しつつ、空いた道を通り抜け、落ちていた腕を拾う。


これ、元の位置にくっ付けれないかな?

途中で途切れている右腕を見てそう考える。


そうすると、切り取られた右腕と持っていた銃が黒い霧になり、残っている右腕の先に集まり…………


あ、直った。


ちゃんと銃も持っている。


すげーな合成魔キメラ


燃え尽きたり、霧散したりしない限り修復できるのか。


戦闘を再開しようと森狼達の方を見ると、1匹の森狼が口を高く上げていた。


あのポーズ……どこかで……。



そう、遠吠えである。



何でこんな時に遠吠え?


ウォーーーンと澄んだ声が森中に響く。


…………そう言えば、ここって近くにもう一つ沼があったはず…………、



あ、


頭の中に浮かんだのは懐かしいゲームの戦闘シーン



▼ 森狼A は 仲間を呼んだ。


▼ 森狼D、森狼E、森狼Fがあわられた。



マッドワーム狩りの部隊は、1隊3匹で構成されているから、最低あと3匹は来る。


もしかしたら、もっと遠くからいらっしゃる隊もあるかもしれない。


こりゃダメだ。


どうにかして、『1匹くらい【吸収】出来ないか』と見てみるが、怪我している1匹を庇うように2匹が立っている。


前回はすぐ逃げたのに、今回はやたら食い下がってきたのは、援軍を呼べるって分かってたからか……、賢いな。



はぁ、今回も残念ながら作戦失敗だな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



『失礼します』


報告にきた者が帰ると、洞窟の奥は静まり返った。


『なぁ、ノウよ』


ゲイルが、彼の補佐であるノウに話し掛ける。


『如何なさいました?』


『これはもしかしたら……』


『はい、間違いありません。《マッドワームキラー》の狙いは、我々森狼です』


『ふむ、その通りだ』

ゲイルは、自分が考えていた通りの返答をが帰ってきて、満足そうに頷く。


自分達が《マッドワームキラー》と呼ぶ魔物が、逃げたかと思ったら、姿を変えて戻ってきていた。


その不審な行動も、「自分達を攻撃する隙を窺っていた」と考えれば辻褄が合う。


ただ、実際に《マッドワームキラー》が戻って来たのを見たのは3回。


突然空中で消えたと思ったら近くに出現した時と、足音がしたと思ったら足元から出現した時、そして、奇襲をかけてきた今回の合計3回である。


その内、戻って来た魔物が《マッドワームキラー》だと断言できるのは2回のみ。


正直、予想の域を出ない。


しかし、「今回奇襲を受けた事により、確信に近づいた」とノウとゲイルは考えている。


もしかしたら、『《マッドワームキラー》が戻って来たのを見た時』からの合計4回も、姿を見せない時があっただけで、全て戻って来ていたかも知れない。


『俺の群に、なめた真似してくれるじゃねーか!

俺が直々に引導を渡してやろう』


自分に楯突いて来る謎の魔物、戦闘狂のゲイルが盛り上がらないわけが無い。


『盛り上がってるところ申し訳ないんですが、全く正体不明の敵に、族長であるゲイル様を戦わせるわけには行きません』


すぐにでも飛び出ていきそうなゲイルをたしなめる。


『何だ? 俺が負けるというのか?』


自分が『《マッドワームキラー》ごときに遅れを取ると思われている』と勘違いしたゲイルは不機嫌になる。


『いえ、そうは思いませんが、相手の手の内が見えないのでは万が一の場合が無いとは言い切れません。

もし貴方に何かあったら、この群はどうなるのですか?』


ノウが言い分が正しい。


何より、ゲイルの群は、元々この森に住む大きな群から分裂したもので、お世辞にも大きいとは言えない。

正直、いつ他の群に滅ぼされてもおかしくない規模なのである。


今は、他の森狼より頭一個分出ているゲイルの力があるから存続出来ている。

群の為にも、そのゲイルには万が一があってはいけないのだ。


『チッ、じゃあどうするつもりだ?』


『私には【鑑定】のスキルがあります。

私が先に接触して、相手の正体を見てから次の行動を考えましょう』


『はぁ、わかったよ。ただ、「次の行動」とやらの決定権は俺にあるからな!』


ノウの案に抵抗する言い分が思いつかなかったので、ゲイルはしぶしぶ、了承した。


予想以上に『狼の【吸収】』にかける話が長くくなってしまい申し訳ありませんでした。

この話を合わせてあと2話で一区切り付ける予定です。もう少しだけ、お付き合い頂きますようお願い申し上げます。

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