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23話 報酬とは?

そこには1匹のカラスがいた。


「カラス?」


「はい、これは《迷彩カラス》と呼ばれている魔物です」


「迷彩? 黒いんですけど?」


そう、目の前にいるカラスは、前世と同じように黒い色をしていた。


「百聞は一見に如かずです。【鑑定】してみてくださいな」


言われるがままにカラスを【鑑定】した。


––––––––––––––––––––––––––––––

種族:迷彩烏


Lv:1

HP:10

SP:19

ATK:1

MATK:3

DF:2

MDF:3

PS:減音Lv.1

AS:光学迷彩Lv.1、浮上Lv.1

危険度:G

––––––––––––––––––––––––––––––


ステータスは低いが、スキルが魅力的である。


取り敢えず、種の特徴を知らないとな。



ー《迷彩カラス》ーーーーーーーーーーーーーーーー

隠密性が非常に高い鳥型の魔物。

戦闘能力は皆無であり進化もしないが、擬態系のスキルの上位に位置する【光学迷彩】を持ち、

【光学迷彩】の最上位スキルである【超光学迷彩】や、【減音】の最上位スキルである【無音】を習得するため、高レベルの個体は見つけることはほぼ不可能である。


また、【浮上】のスキルを持つので、羽ばたかずともその場で停滞する事ができる。


使い魔としてはかなり有能である。

しかし、捕まえる事が困難なので、飼ってる人は居ない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



戦える力があまり無い今の現状を考えると、不意打ちか、それこそ危険が去っていくまで隠れるのが得策だと思う。


でも、

「今更こんなこと言うのも変な話なんですけど、無抵抗な生物を倒すのって若干の罪悪感が…」


見た目カラスだから愛らしさはあまり無いが、小動物を虐めるのは気がひける…。


「本当に今更ですね。それに関してはご安心を。

これは擬似的な魂の入ったスキルを所有する人形と考えていただいて構いません」


それなら…、


【吸収】した。



【減音、光学迷彩、浮上Lv.1を手に入れた】


【減音は隠密に吸収されました】


そう言えば、【隠密】って隠密系スキルの総合スキルだったな。


同じ系統のスキルは吸収されるのか。


あれ? 光学迷彩って姿を見えなくするんだよな?

隠密に吸収され無いのか?


トーリウルスに聞いてみる。


「隠密スキルの見えなくするスキルは【視認妨害】というスキルでPSですよ。

【光学迷彩】は擬態系のスキルでASです」


ジャンルが違うのか…、でも


「それなら、SP消費をする【光学迷彩】は劣化スキルって事ですか?」


PSならばSPの消費は無い。

同じ効果なら消費が無い方が良いに決まっている


「一概にそうとも言え無いんですよね。ASはSPを消費して使う分、使っていると言う感覚が強いのですよ。

ほら、トレーニングも何処に効果があるのか意識してやれば効率が良いと聞くでしょう?」


「つまり、意識して発動する分ASの方がスキルレベルが上がるのが早い…と?」


「そうなりますね。あと、SPを消費する分、ボーナスでもついてるんでしょうね。

とにかく、いろいろな理由からASの方がスキルレベルの上がりが早いです」


なるほど、育ちが早い方が今の俺としては有難い。


「まぁ、二つのスキルは根本的に違うので一概にどっちが強いか? とは言い切れませんけどね」


「どういう事ですか?」


「言葉で説明するのは大変なので、後で頭に直接情報を送りつけておきます。

【検索】は比較とか出来ないませんからね」


【検索】さんも万能では無いらしい。


「それでは、私はもう行きます。貴方の言う通りにして本当に仲良くなれるのか確認してきます!」


「ああ、引き止めて悪かったな。じゃ、成功したら報告よろしく」


笑顔でそう言って送り出す。


「はい、ちゃんと報告に来ますよ? 失敗した時は貴方を消滅させなければいけませんので」


最後に物騒な言葉を残しトーリウルスは消えた


お願いします! 上手くいきますように!



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



トーリウルスが去った後、頭にスキルの情報が流れてきた。


どうやら、

【視認妨害】は相手の視覚に干渉して自分を意識できなくするスキルで、

【光学迷彩】は自分自身が色を変え、背景の中に溶け込むスキルらしい。


【視認妨害】の方は『意識でき無いから見えて無いのと同じ』と言うだけであって実際は見えてはいる。

それに相手が【妨害スキル耐性】を持っていると普通に認識できてしまうらしい。


だからと言って【光学迷彩】の方が優れていると言う訳ではない。

【光学迷彩】も完全に消えるのは無理であり、ふとした時に違和感を感じ、気付かれる事がある。


【視認妨害】も【光学迷彩】も、最終スキルである【不可視】【超光学迷彩】まで育てると完全に見えなくなるらしい。


結論、どちらも育てておいて損はない。


そして、ASは発動すればスキルレベルが上がる。


PSは意識して行動すれば上がるらしい。


意識して行動って何?


考えても仕方がないし……、うん後回しだな。


取り敢えず、迷彩烏に変身する。


……どうやって飛ぶのだろう?


スキルの【浮上】を使えば良いのか?


浮上、発動!


ふわりと身体が浮き始める。そして30センチくらい上がったところで止まった。


ステータスを見たが、一回SPを消費すればずっと使える訳ではなく、使っているとジリジリとSPを消費するらしい。

その消費速度は1秒に10くらいだ。


俺の今の総SPが2699だから、単純計算で270秒……4分半位飛べるのか。



さて、前に移動するか…と思ったが前に動かない。


もしかして!?


後ろにも左右にも動かない。

動けるのは高さ調整だけ。


………え?


【浮上】のスキルを【検索】する。



ー《浮上》ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

飛行系のスキルの最下位に位置するスキル。

上昇下降しかできない。

スキルレベルが上がると、飛べる高さの上限が上がり消費SPが軽減される。

上位スキルとして【飛行】、【高速飛行】などがある。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



マジか……、育たないと使えないじゃねーか!


スキルがこのザマでは、この翼で自力で飛ぶしか無い。


どうしよう、飛び方なんてわからない。


………そう言えば、ウォールウォーカー時も、壁の登り方なんて知らなかったのに何とかなった。


もしかしたら、本能的に飛べるんじゃ無いか?


ほら、魚が初めから泳ぐ事ができるように、動物が歩き方を知っているように。

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