たまに行く豚カツ
ファミレスなんかと一緒にしてはいけない、正真正銘の洋食屋である。
駐車場もあるのだが、しらなければ絶対に見つけられないと断言できる。
店自体は小さく狭い。
テーブル席はなくて、カウンターしかない。
僕はランチタイムしか行った事がないが、ディナーもあるみたいだ。
11時から空いてるから常連などは早めに行く。
よって、ランチタイム時は席は少ないからめっちゃ混む。
混むどころか並ばないといけないので、油断してたら昼休み終わってしまう危険がある。
ここの人気料理といえば、間違いなく『豚カツ』である。
最初から切っていないまるごとドスンと1枚の豚カツにキャベツ。それに、店のオリジナルのデミグラスソースがタップリとかかっている。
豚カツにもだが、キャベツにもあう最高のソースは、ブラウン気味ではなく、オイスターソースのようにやや黒っぽい。
これは洋食屋という料理。出きてこれは旨いとわかってしまう。
ナイフで切り、ソースがしっかりとかかったのを口に運ぶ。
サクと軽めの衣の食感。
次に、豚肉の別の食感。
噛みしめて出てくる豚肉の自体の旨さと油身からの出てくる旨味。
ソースのキリッとして深いコクのある味わい。
一切れ目で目がクワッとなって、旨さに口が緩まってしまう。
二切れ目、皿に盛られた米も続いて口に入れる。
(セットはないので、ライスは別注。)
旨い、ひたすらに旨い。
途中で、キャベツに手が進む。
シャキシャキとした食感と、少し染みたソースが食欲を増幅させる。
旨い食事は食事のみに集中させる効果がある。
仕事の疲れもこの後にある予定も忘れ、ただひたすら目の前の料理を喰らう。
個人的に豚カツは端が一番旨いと思っているので、残していた最後の1切れに皿に残ったソースを絡めて口に運ぶ。
最後に水を飲み、あっという間に完食となる。
だが、まだまだ腹に余裕が感じられる。
ここの豚カツは揚げ物だからといって、もたれる事はない。
だから自分はダブルという厚いを頼む。
実際女の人でもダブルを頼んでる人は多いし、克つ完食してる。
豚カツで満足しがちだが、この店で絶対に外せない物がある。
注文を受けてから、オニオンやらガーリックを入れて作る皿に並々と注がれるポタージュスープだ。
このスープの旨さは郡を抜いてる。
見た目では絶対にわからないがガーリックが強く、胡椒が効いている。
スプーンで掬い、フーフーしてもまだ熱いスープを恐る恐る口に運ぶ。
まずガーリックの風味が最初にガツンと脳天を突き抜ける。
スープが胃に届くとカッと熱くなる。
だが、柔らかくクリーミーな旨さはしっかり口の中にに残っている。
何これ、と思って二口目に進む。
最初のインパクトに慣れているのか、スープの旨さがより目立つ。
普通スープは脇役なイメージがあるが、このスープは十分メインになりえる濃い旨さがあるのだ。
(個人的には酒のアテにもなりえると思っている。)
豚カツとライス大とポタージュを食べて、お金を払って、「ご馳走さま」と言って店を出る。
頭に残る食事の旨さと満腹感に幸福を感じながら、太陽の眩しさと熱さに顔を少しながら駐車場に足を進める。
車のエンジンをかけると、暑かった車内にクーラーの風が流れる。
一息つくと、『旨かった、また来よう』と思い、気力充実で午後からの仕事に向かう。
別に毎日ではなくていいのでいい。
でも、こういう食事が人生にいいスパイスになるのは間違いない。