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Wars In Wonder Land
始業のチャイムは戦争開始の合図。
授業は絶え間なく放たれる鉛弾と、爆風の嵐。
銃を捨てろ、采配を振れ。その頭に浮かんだ言葉を、ペンと言う名のナイフで描け。挙手と言う名の大砲を放て。
6回目の終業のチャイムまで、終戦を告げる声が響くまでが戦争だ。
……なんて考えてる俺は、軍人か何かの末裔だろうか。
とにかく、現実に起こった事は何でも戦争に置き換えないと気がすまない。
俺の中では、話す事でさえも戦争だ。
誰かといるだけでも戦争だ。
毎日幾度となく、自分の世界は攻められる。
それを上等だと思う日もあれば、
怖くて仕方がないと怯える日もある。
けれど最終的に追い出す。もしくは支配下に置く。
そして1日は終わって、起きればまた戦争が始まる。
この細やかな戦争は、俺が死ぬまで続くだろう。
……いや、きっと死んでも終わらないな。
思いも魂も、何もかも忘れてしまうまで……
俺の戦争は終わらない。