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硝煙越しの四季に

ひたすら無意味に、季節のない不純な世界を隠していた。


本音を言えば、どうでもいいのだ。


明日人類が滅亡しようが、親しい友が皆殺しにされようが、自分の趣味が全面禁止されようが、


自分が死のうが、どうでもいい。


人生なんか、世の中なんか、取るに足らないひとつの文学作品でしかないのだ。


過去に起きた事は白紙にしないと変えられない。


やり直す……つまり死ねば今よりマシな自分になれるだろうけど、それすらも面倒臭い。


だからと言って、無気力で歪みに歪んだ本文で、世の中に貢献するなんて事は出来そうにもない。まず何かを書こうともしない。


そのままのうのうと惰性で生かされ、最後の最後で運命に殺される。


それでも別に、構わない。


しかし、どうにも願ってしまう。


冬の残酷な死の温度に、貴女の心が凍えぬ様に。


穏やかな春の風に、貴女が手の届かない所まで飛ばされてしまわぬ様に。


夏に鳴く蝉の如く、貴女の命が散らぬ様に。



__貴女が、秋霜に負けじと燃える「楓」で在り続ける様に。



そして冬が無くなって春が訪れる時、また貴女と共に在れる様に、と。


濁った目に映る四季の中、そこにいつだって貴女がいる事を確かめながら……


私は今日も無季の中で、ただ虚ろに愛を綴ろう。

そう言えば、もうそんな季節だなぁって思い立って。

彼女は紅く燃える葉を見て何を想うのだろうか、と考えたりします。

しかし、当たり前ですがまだ紅葉する楓を目撃してません。仕方がないので、メープルタブレットの缶で我慢しておく事にします。

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