永久の焔剣
貴女の夢のためならば、自分の感情も、欠陥も、望みさえも風に流せる。
この世界で踊る剣の意志は、それほど強い。
身体の方は病に蝕まれるばかりだが、意志さえあれば問題はない。
けれど、貴女のため以外にも俺は剣を取る。
俺を信じてくれる人達のための剣。
偽りの感情を真実にすり替えるための剣。
自らの号哭を消し去るための剣。
剣の数だけ、誰かのために戦っている。
貴女にそうなって欲しいとは思わない。
誰かのために剣を振るうのは、騎士である俺の役目だから。
……貴女は貴女で、自由に生きて欲しい。
そして、勝手に俺に守られていて欲しい。
俺は貴女のためだけに、何よりも強く、何よりも硬い『焔の剣(フランベルジュ)』を振るっていたい。
これだけは、貴女にやめてと言われても絶対にやめない。
この身がどれだけ傷ついても、この身がどれだけ錆びついても、
……俺は貴女の騎士として在り続ける。
俺の前世は騎士だったそうで、だから今世で痛みを伴う誓いを立てているらしいと言われました。
……痛みを伴う誓い、結構な数思い当たりがありますよ……
誰かを守る。これもまた、そのひとつです。
孤高の存在であろうとする事は辛くない。本当に辛いのは、どんな状態でも意志を守り抜かなければならない事。
意志力が大変弱い俺にはとても難しい事です。
果たして俺は、この誓いを守れるでしょうか。
そして、彼女が気に病んだりしないでしょうか。
……心配だなぁ。




