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孤独に笑え、囚われた英雄

血の繋がりを持つ者には、必要とされていない。

せいぜいストレスのはけ口、もしくは自分のために都合よく動いてくれる人形『だったゴミ』としか見なされていないのだ。はっきりと分かる。


……結局、自分の思い込み。愛されてなどいなかった。

そして、俺もまた彼らを愛してなどいなかった。


ある者に同情を与え、ある者に冗談を与えて時間を無駄にする。


自分こそ全てと思う者を冷たい目で見れば、罵倒された。


そんな奴らに楯突こうとも、カミングアウトしようとも、受け入れてくれる訳がない。


一人残さず腹を裂いて血を浴びる事すら、許されはしないだろう。


要するに、現実に受け入れてくれる人はいない。そういう事だ。


せめて成績が良かったなら待遇ぐらいは変わっていただろうかと考えたけど、結果は恐らく同じだろう。


自分に厳しく他人に甘い。ただそれだけの存在は、家族だけじゃなく世間も必要としていない。


俺を必要とするのは、小さな画面に映るごく少数の知らない誰かだ。


だから何、で済まされる話だろう。


賢くもなければ強くもない。家庭内カーストでは最も下、犬の方が偉いと言う惨状。

そんな俺が何を言っても、全部無駄だとは分かり切っているさ。


……まぁ、散々愚痴を言った所で何かが終わる訳でもないわな。


愛しい人が好きだと言ってくれる限り、俺は辛くないと言い張れる。最大限強がれる。


理解もしない他人の言葉を、延々と疑える。


氷水に心も身体も沈み込ませた挙げ句手に入れる愛なんて、絶対に要らない。


俺は愛憎と言う名の地獄の業火で、散々焼かれる反英雄(ダークヒーロー)として在りたい。


子供じみた好意と感謝を、俺の数少ない理解者(バディ)達に永久に与え続けよう。


言わずと知れない彼女には、彗星すら打ち砕く愛をこの身朽ちるまで贈り続けよう。


……ちなみにこの冷たい世を去ってからも、最大限の愛を捧げ続ける予定である!

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