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反航戦と暗き夜
俺にとって深夜は神聖なモノだ。
静かに、誰にも邪魔されずに過ごして眠る。
そうあらねばならない。
なのに、そんな静寂を乱す者が何人もいる。
それが怖いのだ。辛いのだ。
耳を塞いでも、好きなモノを飲んでも、胸の中には恐怖しかない。
今だってそう。いつもと違う部屋で一人、すみっこで膝を抱えて震えている。
物音が聞こえる度にびくりと肩を揺らす。
在りもしないハズの影を見つけ、目を固く閉じてしばらくしてそっと開くを繰り返しながら。
敵に勝てないでいる。
ただひたすら来るなと叫んでいる。
……錯乱しているのか。
このままではどうなるんだとしか考えられない。ただただ怖い。
俺にとって、恐怖は眠れない事そのものだから。




