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第5日目
今日は、早く起きてしまったみたい。お母様たちに挨拶しようとリビングに向かう。ドアに手をかけた時、引き返してしまった。
「最近、乃愛が戻ってきているわ。」
「そうか。」
お母様とお父様が朝早くから何かを話していた。
私の話題だったけど、真剣な顔していた。
あれ以上聞いてはいけないと言われているようで、中に入れなかった。
自室に戻り、新しく届いた制服に着替え、執事を一人呼んだ。
「・・ぁ!のあ!乃愛!」
お母様とお父様の声が聞こえる。
でも、私、起きたくないの。少しだけ休ませて。
・・・?
誰?
どこからか声がする。お母様でもなくお父様でもない、私の知ってる人たちとは違う声。
・・・どうする?
戸惑っている私にどんどん話しかけてくる声。だけど、よく聞き取れない。
あなたは、誰なの?
・・・
ダメだ。何かを言ってるのはわかるんだけど、何を言ってるのかがわからない。
だけど、この声に従ったら、ダメな気がする。嫌な予感しかしない。
しばらくして、声は消えた。聞こえるのは私を呼ぶ知ってる人たちの声だ。
おやすみなさい
そう呟いて、目を閉じる。