第4日目
学校の制服が汚れてしまったが、気にせず家に向かう。
学校の制服をダメにしたのは、これで何回目だろう。
数えてないからあまりわからない。
黒を基準にした制服で、差し色で赤が入っている。この制服は気に入ってるから、汚さないように頑張ってるんだけど、やっぱり少し汚れちゃうんだよな。
毎日手入れしている黒髪も、少しだけど濁って見える。
「はぁー。ただいま」
大きなため息をついて家に入る。
玄関には、見かけない顔の執事がいた。
白髪で小さな顔、目は綺麗な青。
「ねぇ、あなた、名前なんていうの?」
自分でもわかんないけど、その執事に話しかけていた。
「今日から配属されましたブリューといいます。これからよろしくお願いします」
そう自己紹介すると、ブリューは行ってしまった。
でも、話してみてわかったことがある。
あいつは、私とおんなじ。
「乃愛。おかえりなさい。」
お母様の声が後ろで聞こえた。
「ただいま」
振り向き、言葉を返す。
お母様は、私に近づいてチョコをくれた。
四角いチョコレート。可愛いチョコ。
「落ち着きなさい。」
「へ?」
お母様のいった意味が分かんなくて、部屋に戻って考えてた。
もらったチョコは机の上に置いてある。なんだか食べるのがもったいなくて。
「うーん・・・」
その日はずっと考えてたけど全くわかんなかった。