第2日目
「乃愛ー!どこに行ったんだ!」
遠くでお父様の呼ぶ声がする。
せっかくいいところだったのになー。
「今日は楽しかったです♪また遊んでね♪」
妖精さんたちにお礼を言い、お父様達がいる家へ戻る。
「ただいま戻りました。」
玄関から入り、お父様の前に行く。見るからに怒っていることがわかる。
「どうかしたんですか?」
「どうもこうもないわー!またお前は、勝手に家を抜け出してどういうつもりだ!お前には、テストがあるだろ!集中しなさい。だいたいお前は・・・」
振り向きざまに怒鳴られて耳を塞ぎながら、話を聞く。
もう、お父様の説教は長いしうるさいんだよなぁ。早く終わんないかな。
「まぁまぁ、あまり怒らないで。乃愛も息抜きをしたかったんですよ。毎日毎日勉強じゃつまらないし、溜め込んでしまうわ。それに、あなたもそんなに言える立場じゃないでしょう?」
後ろから知ってる声を聞いて振り向くと、そこにはお母様がいた。
お母様は、なめらかで長い金髪を揺らしながら、お父様に近くに寄っていく。
整った顔に気品漂う雰囲気が輝いて見える。
それに、普通に話しているはずなのに、重く感じる感じ。
「今、生計を立てられているのは、ほとんど乃愛のおかげなんですよ。それが、溜め込んでしまってダメになってしまっては、私たち終わってしまうわ。遊びに行くことぐらい許しましょうよ。乃愛もですよ。遊びすぎて、成績が落ちてしまうなど無いようにお願いしますね。」
優しくもどこか冷たい笑顔を向けられる。
「はーい。」
お母様ってどこか怖いんだよなぁ。
お母様に、もう行ってもいいと言われ自室に戻る。お父様は納得していなかったみたいだが、お母様に逆らえるお父様じゃないから大丈夫だと思う。
部屋の前には、執事が立っていた。
「お帰りなさいませお嬢様。部屋に、頼まれていた本が置いてありますのでお確かめください。何か問題がありましたら、お申し付けください。」
そう言って、一礼しどこかに行ってしまった。
部屋に入ると山積みの本があちらこちらに見当たる。
こんなに頼んだっけ?もう少し少なかった気がするんだけど・・・。まぁいっか。どうせ覚えなきゃいけないしね。
私は、背中ぐらいある黒髪を一つに束ねて、山積みの本を一番上から触っていく。手に持って目を閉じて5秒間。
次の本を取る。また同じように5秒間。それを繰り返して3時間。
「おわったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
伸びをしてベットに後ろから倒れこむ。
そのまま寝てしまったのは、言うまでもない。