表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チョコ神  作者: 歌奈汰
12/15

もう一人の目覚め

俺の声は、お嬢様に届いたのだろうか。


さっきまで、泣き崩れていたお嬢様は床で意識を失っている。


どの姿はまるで、毒リンゴを食べて倒れた白雪姫。


俺は、お嬢様に初めて会った日は、直感で思ったんだ。


この方は、俺と同じだと。


無垢で純粋でもう一人を知らない。


存在は完全に違うが、俺と同じ。


そんなことを考えていると、お嬢様は起き上がった。


いや、俺の本当の主が、目覚めた。


「おはようございます。グリード・ノア・リリィ様。」


頭を下げながら、挨拶する。


「ん~。おはようございます。じゃないわよ。ブリュー、なにヒントあげてるのよ。せっかくのゲームが台無しじゃない!」


伸びをしてから挨拶もなしに文句を言ってくるのは俺の主人だ。


「ですが、ゲームというものは手がかりがあって進むものです。


あれしきのヒントは必要不可欠ですよ?もっとゲームを楽しむための。」


口元を緩ませながら、思ったことを口に出す。


「確かにそうだけどぉ。乃愛ちゃんには、自分で見つけて欲しかったの!」


「それなら、尚更必要ですよ。きっと、リリィ様のお望み通りのendingにしてくれますよ。」


「なら、いいけど。てか、その顔気に入らないわ。なんでも知っているような顔。」


納得したのか、俺の表情に文句を言ってくる。


本当に飽きない主人だ。


俺は、あの日から、リリィ様に魂を預けた。


でも、あの日のことなんて覚えていない。


覚えているのは、契約をしたことだけ。


「なに不気味に笑ってるのよ。綺麗な顔が歪んでるわよ?」


「リリィ様にはかないませんよ。」


なんて言って、笑っていた。


お嬢様。


ゲームをお楽しみください。


命をかけた楽しいゲームを。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ