3話 憂鬱で退屈な日常
いつも通りに学校について自分の席に座る。
授業が始まり今日の大半もいつも通りに終わりもう6時間目の授業も終わった。
「裕也、どうした?」
放課後にもかかわらず、教室で椅子に腰掛け机に伏せていると気楽に親友もとい悪友の和樹が声をかけてきた。
「おぃー、聞いてるか?」
「あんま話かけんな、クラスで孤立するぞ」
和樹は、スポーツ万能、学業最悪と馬鹿だが前向きで努力も勉強以外ではするという真面目かもしれない奴だ、1分の女子の中では人気があり、馬鹿なためか接しやすいのか意外と男女関係なくなじめる中々の良い奴だ。
が、馬鹿であり今更忠告したところで対して意味がないのかもしれないが、クラスから孤立している俺に話しかけていることによって、こいつの評判が悪くなるのは、個人的できれば避けたい。
「はー、なに言ってんだぁ?俺はお前を心配してだなぁ…」
朝から何かが頭に引っかかってる気がしてイライラしていたのか、いつもなら怒鳴らないが、和樹の言葉を掻き消すように
「もういいから関わらないでくれ!」
怒鳴ってしまった。
「そうかよ。じゃあな」
和樹は捨て台詞を言教室を出で行った。
俺に関わってくれる数少ないやつを怒らせてしまった。
元々、人が嫌いなわけでも関わるのが面倒くさいわけでもなく、身近に感じる人を増やしたくないだけで和樹が嫌いなわけではないし、関係をこじらしたいわけでもない。
しょうがない、謝りに行くか
軽くため息をつき席を立ち教室を後にした。
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学校を後にした俺は、多少空が暗くなり始めるなか和樹の家の前に来た。
玄関チャイムのボタンに手を伸ばし軽く押す。
ピンポン
何処ででも同じ様な機械音が聞こえ家の中から
「いらっしゃい、裕也君どうしたの?」
和樹の母さんがドアを開けてながらチャイムに対する返事をしてくれた。
「和樹いますか?」
「今、呼ぶからね」
「和樹ー」
和樹の母さんが和樹を呼ぶ声とともに階段を下りてくる足音が聞こえてくる。
「どうした裕也?」
階段から下りてきた和樹は、怒っていたとは思えない表情と対応で出迎えてくれた。
「ちょっと来てくれないか?」
ここで謝るのは、和樹の母さんがいて少し恥ずかしい。
「いいよ、ちょっと出かけてくるから」
と言って和樹の家を一時後にした。
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和樹の家から少し離れた公園に到着し、公園の少し中のほうにある電灯の近くまで歩き、和樹の方に振り返り話し始める。
「今日はすまなかった」
「いや、別に気にしてない」
和樹の簡単な返事が帰ってくる。
「あのさ俺、どうしたらいいかな?」
「突然どうしたんだ?」
和樹は、俺の脈絡もない突然の質問に疑問でそのまま答えを返してきた。
「なんだかもう精神的に限界なんだ」
もうすっかりと暗くなった空と電灯を見上げながらため込んでいた自分の黒い感情について話し出す。
「学校は退屈だし、家に帰れば母さんが、俺の兄さんが帰って来ないて、パニクったりしてさぁ、それに毎日毎日『兄さんは、今日部活で遅くなるって言ってた』とか、言いたくもない嘘をつかないといけない」
俺は、何かを吐き出すように言葉を続けた。
「疲れたよ、なんだか死にたい気分だ」
やけになったような気持ちでそう言うと
「何言ってんだよ、お前!」
突然、和樹が険しい顔をして怒鳴り声をあげる。
「疲れたから死んでもいいかなって思ったんだよ」
俺は、声を暗めにして冷静な声色で答えた
「お前ぇ何言ってんだ!」
和樹は、手で俺の服の襟元を掴み軽く顔を引き寄せるようにして
「なにが疲れたから死にたいだ!ふざけんな!」
俺を怒鳴りつける。
襟元を掴む和樹の手を払い除け、言い放ってしまった。
「お前に俺の何がわかるんだ!」
と。
「勝手にしろ」
和樹は身を翻し公園の出口を抜け家に向かって帰ってしまった。
和樹が見えなくなりしばらく経つと誰もいなくなった公園で
「謝りに誘って怒らせてどうするんだか……今ならまだ間に合うかな」
小言のように言葉を吐き、俺は和樹を追いかけて走りだした。
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信号のない交差点のすこし前に和樹がいるのが見え、その時交差点の横側から車が走ってくるのが見る。
「和樹待て!」
荒げた声で叫ぶ俺の声を無視してそのまま歩き続ける。
このままじゃ和樹が車に…
和樹だけは絶対に守って見せる俺のたった1人だけ残った親友、死なせてたまるか!
とっさに俺は、和樹を抱き抱えるようにして、交差点に飛び込んだ。
ガッコン
何かの鈍器を力強く殴りつけた時のような重くずっしりとした音が辺りに響き、俺と和樹は車に跳ねられた。
2012/09/09誤字・脱字を修正しました。