普通の一日
夜空に浮かんでいる月が満ち欠けをあと何度繰り返したらぼくは死ぬだろうか。
規則正しく脈打つ心臓に別段、異常はないし、体のどこかに不調なところがあるわけでもない。それでもぼくはもう、生きるのに疲れていた。出来ることならさっさと死んでしまいたいが、
死ぬのが怖い。
恐い。
こわい。
両親と不仲で、クラスメイトからはいじめを受け、担任はどうしようもないエゴイストで、ぼくの救いの道はどこにもなかった。神にすがりつこうにも、こんな状況に追い込んだ神様を信じたところで何も救われないように思えて信じれずにいたし、もう、本当にどうしようもなかった。
家に帰ってきても何かをすることが億劫なので、今日もまた、こうして空を見上げている。ぼーっと月を眺める。いつ見ても月はきれいに思う。
何度となく飽きることなく満ち欠けを繰り返す。まるでどこかの国のように思える。
そして月を見ることに飽きたら眠る。夢は滅多に見ない。それでいいと、ぼくは思う。どうせ夢なんて見ても辛いだけだ。夢の中でまでいじめられたくはないし、もし幸せな夢だったら、現実がさらに醜くなるだけだ。
瞼を閉じて、呼吸をゆっくり、静かに繰り返して、ベッドの上で小さくなる。
「こんな世界、壊れてしまえ」
目が覚めて、頭の上で騒いでいる時計に目をやると、針は六時ちょうどをさしていた。
空にあったはずの月は薄白い雲に同化していき、見えなくなった。かわりに眩しい太陽が街を照らしている。
近所の犬が吠えた。
車が家の前を通っていく。
誰かがジョギングをしている。
また、何も変わらない普通の一日が始まる。
お目汚し失礼しました。なんとなくふと、思いついて書いた作品で、あまり練られたものではありませんので、文法だったり言葉選びが適切ではないかもしれません。その辺は生温かい目で許してください。