ある一日
掲載日:2010/06/24
駅への帰り道。
久々にはいたヒールのせいで、
足に限界がきていた。
足元には黄色く主張する点字ブロック。
人を助けるはずの凹凸にいら立ちを覚え、のろのろと駅に向かう。
何人もの人が私を追い越して行く。
追い越される事にも嫌気がさしてきていた。
そんな時だった。
一人だけ空気を止める人がいる。
多くの人が行き交うなかで、
一人立ち止まっている。
携帯をビルに向けて何かを見ているようだ。
何を見ているのだろうか。
なんとなく私もそちらへ目をやってみる。
多くのビルが立ち並ぶ隙間からそれは見えた。
赤から青に変わる淡い空が。
夕焼けにしては淡い桃色の空を彼は見ていたんだ。
彼のおかげで空を見つけることが出来た。
空だけでなく、久々にはいたヒールの痛みも和らげてくれた。
彼が空を見ていなければ、
空を見つける事もなく、
足を休める事もなかっただろう。




