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血とカネの螺旋

作者:八月河
時は1970年代から1980年代。世界を股にかける裏社会の勢力図が、麻薬という「汚れたカネ」によって塗り替えられる激動の時代を描く。

物語は、ニューヨーク・マフィア、香港トライアド、日本のヤクザ、そして南米カルテルという四つの巨大組織を、それぞれの最下層から這い上がる四人の主人公の視点で追う。

ニューヨーク、名門コリーニ・ファミリーの御曹司ドミニク・コリーニは、父を殺された復讐と、祖父が守ってきた「旧き掟」の崩壊に直面し、冷徹な「報復者」として裏社会に足を踏み入れる。彼はタッタリア・ファミリーと、その背後にいるカルテルの脅威からファミリーを守るため、「力」と「知恵」を身につけていく。
香港、九龍のストリートで育った少年龍振興は、家族と仲間を守るため、洪興社に入り、非情な暴力とカリスマで頭角を現す。彼は組織の近代化を目指す幹部華哥に認められ、マフィアやヤクザを出し抜き、南米カルテルとの直接取引を画策。友情と裏切りの血塗られた道を突き進む。

日本、ごく普通の高校生だった松永秀人は、友人の不始末から坂上組系の高利貸しに囚われ、抜け出したいという願いとは裏腹に、極道の「金の才覚」を開花させてしまう。彼は坂上組のマネーロンダリングを担い、トライアド(三連幇)を通じて得たカルテルの裏金を日本の金融バブルに流し込み、裏社会の経済的な支配者へと変貌していく。

南米、コカ栽培農家の息子マルコ・ベラは、父を殺した旧世代の暴君エル・オソへの復讐と、搾取の連鎖を断ち切るために、自らカルテルの内部で暗躍する。彼は全ての麻薬資源と流通網を支配する「新たな暴君」となることを選び、マフィア、トライアド、ヤクザを巻き込む世界規模の麻薬戦争の火蓋を切る。

四つの組織の運命は、莫大なコカインの利益と、それを洗浄するための国際的な金融網を巡る交渉と裏切りによって複雑に絡み合い、最終的に各組織の「血の掟」は「カネの論理」によって崩壊させられていく。

彼らは、それぞれが信じる「正義」や「忠誠」のために戦うが、その選択の全てが、やがて来る破滅的な結末へと繋がる巨大な螺旋の一部となっていく――。
血の教訓
2025/10/05 14:04
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