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-87- 一喜一憂

 日々の暮らしは、いつも喜びが続くというものではないが、かといって憂鬱な日々も続くことはない。一喜一憂する出来事が交互に訪れるということですね。理想は喜びが続く暮らしですが、そんな都合よくはいきません。^^

 昨日、職場でいいことがあった大学教授の窪地は、ルンルン気分で家を出た。向かう先は、大学構内にある自分の研究室である。

「先生、おはようございますっ!」

 窪地が研究室のドアを開けた途端、元気はあるが出来の悪い助手の土手(どて)が、笑顔で快活に声をかけた。

「おはよう…、土手君はいつも朝が早いねっ!」

「はあ、まあ…。朝が早いくらいが僕の取り得ですから…」

 土手は飼っている雄鶏(おんどり)に、毎朝起こされるんです…という悩みごとは言わず、自分をよく見せた。

「ところで、君が飼っているニワトリの正宗君は元気かい?」

「えっ! ええ、まあ…」

 心の内を見透かされたような気分で土手は詰まり気味に返した。

「あのニワトリは世界で存在しない新種のニワトリだから大切にするように…」

「はい、それは分かってます。先生からお預かりしてるんですから…」

「数日したら、一度、研究室へ持って来なさい。なんといっても、数メートルじゃなく、空を自由に飛ぶニワトリは、世界で初めてなんだからね…」

「はい、慎重に…」

 窪地にとって空を飛ぶニワトリの品種改良に成功した事実は喜びだったが、博士号を取得するための研究論文が理想どおりに今一、進まない憂鬱に、日々、悩まされ続けていたのである。要するに、一喜一憂する研究が続いていたことになる。

 窪地教授、一喜一憂の状況が解消され、理想どおり博士号の研究論文が完成されることを祈ってやみません。ニワトリが空を飛ぶ研究・・興味深いですね。^^


                   完

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