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-82- 馬鹿と鋏(ハサミ)は使いよう

 馬鹿と(ハサミ)は使いよう・・とは、よく言われる。要するに適材適所という意味である。そうするかしないかは、上に立つ立場の者の出来次第で左右されるという訳です。^^

 とある中規模のDIY[日曜大工]専門店、マルウメである。店長の嶋岡は腕組みをしながらアングリした顔で考えに(ふけ)っていた。新らしく本雇いとなった三人の社員の勤務体系をどうするか? という悩みである。

『豚尾は動きが鈍いが、それなりに仕事が出来るからなぁ~。そこへいくと、牛崎はエネルギッシュに動くが、凡ミスが多い。鳥川は間違いは少ないが、よく休む…』し

 島岡は考えた挙句、馬鹿と鋏は使いよう・・の労務管理に打って出た。

『牛崎のあとは鳥川に確認させればいいか…。鳥川が休んだときは豚尾にホローしてもらおう…。豚尾のノルマ不足は牛崎にやらせればいいな…』

 かくして島岡は、三人の欠点に対して利点がある店員を配置する人事システムとして計画、実行したのだった。その後、マルウメの経営状況は順調に推移していった。

 人には欠点もあれば利点もありますから馬鹿と鋏は使いようで、欠点ある者には利点ある者を付けてホローさせるという手法・・確かに、馬鹿と鋏は使いようですね。^^


                   完

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