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-78- 天候

 照々坊主を吊るしておいたのに朝から雨が降っていて楽しみにしていた遠足が順延になった・・などという経験をされた児童の方もおられるに違いありませんが、天候だけは残念ながら理想どおりになるとは限りません。まあ、考えようによっては、雨天順延になる訳ですから、雨になった日のおやつやお弁当は二度、味わえますからお得なんですけどねぇ~。^^

 とある秋の社員食堂である。昼食どきで多くの社員達で賑わっている。

「弱ったな…」

 一段高い所に設置された大画面テレビの天気予報を眺め、課長の岩吹は深いため息をついた。心なしかいつも食べる魚中心のA定食の箸も重かった。

「どうされたんです? 課長…」

 副課長の砂川が肉中心のB定食を手にし、(いぶか)しげに岩吹を(うかが)いながら隣の席へ腰を下ろした。

「ああ砂川君か…。明日は雨だと言ってるんだよ」

 岩吹は不満げに高台のテレビを指さしながら愚痴った。

「そのようですね…」

「降っちゃ困るんだよ、明日は…。大事なお得意とのゴルフコンペがオジャンになるからな」

「そんなに大事なコンペなんですか?」

「ああ、なんといっても、やっと契約に漕ぎ着けようかっていう矢先だからね」

「日延べでもいいじゃないですか…」

「いやいやいや、相手さんの気が変わるかも知れんから、早い方がいいんだよ。今、一歩だからね」

「それも、そうですよね…」

 ところが、秋の天候とは女性の心のようなものである。次の日は天気予報とは裏腹に、快晴の運動日和となったのである。伊吹の心配はよい方向へ大外れしたのだった。

 理想は予報どおりの天候になることですが、こんな場合は、外れた方がいいですよね。^^


                   完

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