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-72- ショック療法

 治療を施すならショック療法などという方法は取るべきではないだろう。でも、トランプ大統領のようなショック療法が戦争や紛争を終結させる可能性も決して否定できません。やり甲斐はあると思えます。^^

 とある夏の暑い日のことである。高杉は記憶喪失の患者でクリニックの診療を受けていた。記憶喪失といっても軽度の症状で、ここ数年の出来事が彼の記憶から消えていたのだが、これといって思い当たることもなく、時が過ぎていた。

「先生、治るんでしょうか?」

「…あなたの場合、ある程度の記憶は保っておられるのですから、そうご心配されることはないと思います。気長に直していきましょう!」

 医師は快活な笑顔で高杉にそう告げた。詳細を語れば、高杉はここ数年の記憶が全くといっていいほど消えていたのである。思い出す可能性はあるとの医者の見立てだったが、一年も過ぎれば、本当に戻るのか? という疑問が湧いてくるというものだ。

 高杉はクリニックからの帰り道、不思議と甘いものが食べたくなった。クリニックから高杉の自宅に戻るまでの途中にソフトクリームの販売店があり、高杉は買い求めた。甘ぁ~~いソフトクリームを()めていたときである。高杉は突然、過去数年間の記憶を取り戻したのである。ソフトクリームがショック療法といて効いた訳である。

 時として、考えてもいなかったことがショック療法になり、効果を発揮することがあるようです。人の身体は不思議といえば不思議ですよね。理想は普通の治療で症状が改善することですが、それにしても高杉さん、記憶が戻ってよかった、よかった!^^


                   完

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