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-57- 雪景色

 子供の頃、あれだけ(うれ)しかった雪が、年老いた今では、少しも嬉しくなくなり、返ってテンションが落ちたりおぞましい。大寒波の襲来で数日も降り積もれば、これはもう疲労困憊(ひろうこんばい)の域に達し、実に(つら)いのです。理想としては軽く降る程度ですかねぇ~。そんなことを言うと、スキー場関係の方々には怒られますが…。^^

 冬のとある温泉に宿泊した若槻は、雪景色を楽しみながら、のんびりと露天風呂の雪見酒を味わっていた。ほどよく酔いも回り、これはもう桃源郷に違いない…と若槻を思わせた。すると、しばらくして一匹の猿が湯に浸かりに来た。若槻は、おやっ!? と最初は思ったが、『まあ、お猿さんも(あった)かい湯に浸かりたいわなぁ~』くらいに思い、遠目に猿を眺めながらそのまま浸かっていた。すると、またしばらくして数匹の猿が湯に浸かりに来た。『家族だな…』ぐらいに思い、若槻はそのまま浸かっていた。すると、またまたしばらくして、猿の群れがダダダッ・・と露天風呂のほとんどを占めるほどの数で浸かりにきた。こうなっては、ただ一人の人間である若槻としては実に浸かり辛くなる。猿達は、『妙なのが一匹いるな…』くらいの眼差(まなざ)しで若槻をチラ見し、一向に動じる気配がない。というのも、数からして猿達に有利だったからである。さすがにこうなっては…と、若槻は露天風呂から出ることにした。そのとき、木の枝の雪がザザッ! という音とともに若槻の身体に崩れ落ちた。若槻は、(たま)らず露天風呂に飛び込むと、猿達とともに雪景色の湯を共有することになった。

 まあ、状況はどうであれ、風光明媚な雪景色の露天風呂に浸かるのは理想です。^^


                   完

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