-53- お医者
お医者さんもピンキリで、いろいろな方がおられますねぇ~。^^
最近の医者は程度が低くなったなぁ~…と村尾は頓に思うようになっていた。というのも、サラリ-マン的に仕事を捉える担当医に直面したからである。
とある総合医療センターのとある科のとある診療室である。
「そういうことは、あとからお聞きします。次の方が待っておられますので…」
パンチを食らった逆毛はカツン! っと頭に来た。
「なんだ、その態度はっ! 少しぐらいこちらの話を聞いてもいいんじゃないかっ! あんた、医者失格だなっ! もう、いいっ! もういい…。他の病院で診てもらうからっ!」
「それは、あなたのご勝手ですが…」
その言葉を聞くか聞かないうちに、怒り心頭に発した逆毛は診察椅子からサッ! と怒り顔で立ち上がると、挨拶もせず診察室から出た。
『なんだっ! あのサラリ-マン医者はっ!!』
まだ怒りが静まらない逆毛は、いつも診察代を支払っている総合受付へと向かった。
「まだ、診察が終わってられませんが…」
「やかましいっ!! 診てもらおうと診てもらわないと、患者の勝手だろっ! 勝手に病院で決めるなっ!!」
「…す、すいません」
「診察代は払うから、ちゃんと計算しろっ!!」
勢いづいた逆毛は益々、怒りの炎を大きくさせた。山火事である。^^
受付の係員達は、他の患者もいることから、騒ぎを大きくさせまいと低姿勢に終始した。
「…分かりや、いいんだ」
診察代を支払い、ようやく鎮火まではしなかったがくすぶり続けながら、逆毛は病院から退去した。これで、コトは一件落着したかのように見えた。ところが、である。そのとき受付に居合わせた別の患者が、『こりゃ、いいや…』とばかり、診察室で息巻き始めたのである。その飛び火はさらにエスカレートし、ついには病ん内の大問題と発展していったのである。
一人のお医者さんの不始末は、山火事のように燃え上がりますから、サラリ-マン的な診察をされない方が賢明でしょう。^^ 患者サイドから見れば、理想どおりのお医者さんに担当が全てなるとは限りませんからね。^^
完




