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-51- バッテリー

 最近の企業の傾向はユーザーに対して実に不親切だと思える。当期純利益を考慮に入れて頂くのは結構ですが、自社製品のケアーに資する姿勢も大事ではないか? と、生意気にも考える次第です。理想は自社製品の部品etc.の在庫は全てとは言いませんが、百年規模で確保して戴きたいものです。^^

 タブレットを買ったのはいいが、二年もしないうちにバッテリーが劣化したのか充電しなくなり、沼江は焦っていた。

『安物買いの銭失いか…』

 沼江は超安価なタブレットを買ったことを悔いた。安い製品が新品と同じな訳がない…と考えるのが普通だが、タブレットを一度、買ってみたかった沼江としては致し方なかったのである。^^

『バッタものか…まあ、仕方ないなっ!』

 バッタものとは転売に転売を重ねる商品で、どこか胡散臭(うさんくさ)いのである。よくよく考えれば、\12,800という超安価なタブレットに欠点がない訳がないのだ。沼江は、一つ、いい勉強をさせてもらった…と深く考えないことにした。沼江の理想は、買いたくても買えない人々のために、中古商品でも性能は新品と変わらない機能を保持している・・という商業ルールが守られる世界だった。だが、 今の世の中にそう甘い話が通用するはずがないことは沼江にも分かっていた。だから、仕方ないな…と(あきら)めた訳である。

 製造部品の在庫に保有期間があるのは仕方ないとしても、理想としてバッテリーぐらいは全ての在庫を保持して欲しい…と顧客が願うのは当然といえば当然な話でしょう。^^


                   完

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