表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/47

-5- 寒い

 寒いというのは、何も身体が冷えて寒いという意味だけではない。景気が悪いとか(ふところ)具合が寒いなどという場合も意味するからだ。では、暑ければいいのか? ということになるが、猛暑の夏で苦労した方々も多くおられよう。暑けりゃいいというものでもない。景気も同じで、バブル景気のように懐具合が潤っているときはいいが、泡のように消え去ったあと、その反動で底冷えするというのも困る訳です。ほどほどに暖かい春や秋の頃の温度が、身体も景気も快適なんですね。^^

 馬川は底冷えする寒さの中を歩いていた。慌ただしくなった歳末の買い物を済ませるためである。アレは買ったがナニがまだかせぎのがくだったがだった…などとメモ書きを見て、買い忘れがないかをチェックしながらである。いつもは昼前だと空腹に(さいな)まれるのだが、慌ただしく正月ものを買い揃えていると、上手くしたもので案外と腹が減らなかった。

『干し柿が店頭になかったな…。今年は家で作った干し柿がカラスか野良猫か知らないが、すっかり食われてしまった。動物界も人と同じで寒いんだなぁ~。まあ。五、六個はかろうじて残ったから神様や仏様には辛抱してもらうか…』

 などと、馬川は買えなかった干し柿のことをアレコレと考えながら歩いていた。退職してからは年金暮らしの馬川にとって懐具合が決して温かいと感じたことはなかった。ここ数年は特にそうで、物価高の直撃を受け、貯えを取り崩してかろうじて寒さに耐えていたのである。

『まあ、仕方がないか…。この程度の寒さなら喜ばにゃ~いかんのかなぁ~。ウクライナやパレスチナ辺りは極寒だからなぁ~』

 命の危険がない私達の寒さは、まだ暖かい方なのかも知れませんね。理想はもう少し暖かい方がいいんですけどねぇ~。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ