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-45- 冬将軍

 小学生のとき、運動場前にある一段高い校舎の前で釜倉(かまくら)を作った記憶がある。クラス全員だったから、良くしたもので授業時間[ホームルームだったと思うが…]が、終わる頃には立派な釜倉が完成した。まあ、数日後には上級生に壊されたのだが…。^^ このように雪は幸楽になる場合もありますが、負担や害にもなる訳です。理想は薄化粧くらいですかねぇ~。^^

 とある年の二月、寒波が襲来した。冬将軍は立派な(ひげ)()でつけながら寒気団の配下である雪司令官、氷司令官達を呼び寄せた。

『どうじゃ雪司令官、状況は?』

『はあ、まずまずでございます。かなり積もらせましたので…』

『氷司令官は、どうじゃ!』

『はあ、(わたくし)どもも、かなり凍らせましたが…』

『いやいや、私の量には…』

 雪司令官が自慢しながら吹雪いた。

『いえいえ、私の凍らせ具合には…』

 氷司令官は、吹雪く雪をたちまち凍らせた。

『いやいや、私めの方が…』

『何を申される、私めの方が…』

 その頃、下界では人間達が雪掻きに汗し、被害に泣いていた。

『この冬は、もうこれくらいでよかろう…』

 その姿を遠目に見下ろした冬将軍は、少し考えた挙句、全軍に撤収の命を下した。

 四季がある訳ですから、冬は冬将軍によって寒くして頂かないとダメですが、理想は被害が出ない程度にして頂きたいものです。^^


                   完

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