理想ユーモア短編集

－４２－ 雨冠関係物

　雨冠関係物は世の中で大いに役立っている。しかし、一度(ひとたび)、故障したり劣化をすれば、修理が得意な人でもどぉ～～しようもなくなるのが困りものです。＾＾

　天東風(てんこち)は買ったタブレットのバッテリーを充電コンセントに繋ぎ充電しようとした。いつもならディスプレイ画面のバッテリー表示が動き出し、[９５％　充電完了まで、あと２０：００です]とかなんとか表示されるのだが、バッテリー表示は[９％　残り僅かです。充電して下さい]とかなんとかの表示だった。

『そんな馬鹿な…』

　そう思いながら天東風は充電コンセントを数度、抜き差しした。数日しても症状は改善せず、[６％　残り僅かです。充電して下さい]と表示された。買って二年ぐらいでコレかよ…と少し怒れた天東風だったが、よくよく考えれば、ネットで買い求めた中古品だったこともあり、『まあ、仕方ないか…』と冷静さを取り戻した。修理が得意な天東風だったが、見えない雨冠関係物だけは修理出来なかったから、常々、不便さを感じていた。故障ではないものの、バッテリー切れだけはどぉ～～しようもない。廃棄してリサイクルに出すのも如何なものか…と思えた天東風は、仕方なく電気店へ持ち込むことを決断した。

　雨冠関係物だけは目に見えませんから、修理するには専門業者以外の一般人には厄介となります。理想は修理出来ることですが、最近の傾向は廃棄する傾向が高いようで、困ったものです。部品の在庫期間が製造中止から１０年という物の有難みを忘れた企業姿勢は如何なものでしょうか。＾＾

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　完