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-41- やる事(こと)

 一日を暮らす上で、やる(こと)が少なかったり無かったするのが理想だが、生きていく過程でそんな都合のいい暮らしは一部の人を除いてほとんど無理に違いない。人はやる事から解放され、周囲の人々に気を使う必要がなくなったとき、初めて自由に生きられるのです。^^

 金袋(かねぶくろ)は後期高齢者に近づき、すっかり精力を減退させていた。

「? なになに…直立エキス配合・強精滋養丸? こりゃ効きそうだな、試してみるか…」

 やる事もない日曜の朝、テレビ通販を観ていた金袋はニンマリと北叟笑(ほくそえ)みながらリモコンをOFFった。

「強精滋養丸てのはありますかね…」

 次の日、近くの薬局に立ち寄った金袋は、響かない小声で店主に訊ねてみた。

「ええええ、そらもう…。最近発売のアレですな…」

 カウンタ-店主は意味深な笑みを浮かべた。

「ええまあ…」

「さよですか…。実は私も最近、アノ方がさっぱりでしてなっ!」

「はあ…」

 金袋は、そんなことは()いてないぞ…とは思ったが、そうとも言えず、ニンマリした顔で頷いた。

「なかなか理想どおりとは参りませんな、ははは…。これで¥2,100です」

 カウンタ-を挟んで立つ店主は、後ろの棚から強精滋養丸の箱入り中瓶を取り出し、金袋の前へ置いた。

「コレで¥2,100です…。よく効きますよぉ~~っ!」

 本当だろうな? と金袋は思ったが、まあいいか…と、そのままスル-して購入した。

 やる事がないときの理想的な体調管理は難しいものです。^^


                   完

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