-27- 腹具合
理想の腹具合を考えれば、ある程度の時間で空腹となり、美味しく食べれて便通も快調に経過する・・といたところだろう。ところが生活の柵が影響して、残念ながらそうもいかないのが現実です。神経性胃炎なんて、長閑だった時代には考えられない病気も幅を利かせる昨今ですからねぇ~。
白帆は、起き出した早々から腹が空いて堪らなかった。
『俺は拒食症じゃなく巨食症だな…』
自虐風に考えながら白帆はキッチンへ入った。幸いにも近くのスーパーで三日前に買っておいたステーキのパックが冷蔵庫の中で他を威圧しながら関取風に胡坐をかいていた。
『朝からステーキというのもなんだが、腹が減っては戦は出来ぬ、ともいうからな…』
勝手な理屈をつけ、白帆はステーキを食べることにした。その三十分後、空腹感もあってか、ステーキは瞬く間に白帆の内臓へと収納された。
『理想は赤ワインを嗜みながら、のんびりとブランド肉を食すことだが…』
古くなっては不味くなるからな…と、勝手な理屈をもう一つ加え、白帆はナイフで切った肉片をフォークで刺し、美味そうに頬張った。空腹感はいつの間にか消え去り、ほどほどの腹具合になった白帆の一日が始まった。
ははは…理想のいい暮らしですね、白帆さんっ!^^
完




