-2- 収入
毎月毎月、齷齪と会社で働き、ギリギリの暮らしを続けている満川は一ヶ月に数百万円の収入を得られれば…という理想を考えたが、数日経って考えないことにした。その発想は、こうだ。
『数百万円が入ってきたとしてだ…好きなものを買い、好きなものを鱈腹食べて、好きなだけ行きたいとこへ行って豪遊したとしてもだ…また次の月には数百万円が入って来るのか。こりゃ、贅沢三昧で申し分ないが、健康には要注意となる。税務署も目を光らせるだろうから、対策を講じねばならん。お抱えの弁護士を雇うとしても金がかかるな。…ここは不動産でも買っておくか…』
この段階での満川の考えは、まだ多額の収入を理想としていたが…。
次の日、また満川は考えた。
『収入が多 冬将軍
小学生のとき、運動場前にある一段高い校舎の前で釜倉を作った記憶がある。クラス全員だったから、良くしたもので授業時間[ホームルームだったと思うが…]が、終わる頃には立派な釜倉が完成した。まあ、数日後には上級生に壊されたのだが…。^^ このように雪は幸楽になる場合もありますが、負担や害にもなる訳です。理想は薄化粧くらいですかねぇ~。^^
とある年の二月、寒波が襲来した。冬将軍は立派な髭を撫でつけながら寒気団の配下である雪司令官、氷司令官達を呼び寄せた。
『どうじゃ雪司令官、状況は?』
『はあ、まずまずでございます。かなり積もらせましたので…』
『氷司令官は、どうじゃ!』
『はあ、私どもも、かなり凍らせましたが…』
『いやいや、私の量には…』
雪司令官が自慢しながら吹雪いた。
『いえいえ、私の凍らせ具合には…』
氷司令官は、吹雪く雪をたちまち凍らせた。
『いやいや、私めの方が…』
『何を申される、私めの方が…』
その頃、下界では人間達が雪掻きに汗し、被害に泣いていた。
『この冬は、もうこれくらいでよかろう…』
その姿を遠目に見下ろした冬将軍は、少し考えた挙句、全軍に撤収の命を下した。
四季がある訳ですから、冬は冬将軍によって寒くして頂かないとダメですが、理想は被害が出ない程度にして頂きたいものです。^^
いといい暮らしが出来そうだが、金の管理もしないといけないから、金融機関に金を預けるとしても管理が必要だな…。チヤホヤされるのはいいが…』
いろいろ考えた挙句、満川は理想を捨て、収入増を断念した。
それがよさそうですね、満川さん。^^
完