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-19- 寿命

 人には持って生まれた寿命というものがある。富や財産がある者がいくら力んだって、こればっかりはどうにもならない。^^ 長生きするだけが能ではないと語る人もいるが、誰だって早く死ぬよりは長生きする方がいいに決まっている。当然ながら私だってそう思います。まあ、ボケェ~~っと何もしないで長生きするのも如何なものか? とは思いますが、ニワトリのようにまだまだ寿命があるのに屠殺されるというのも如何なものでしょう。^^

 呉竹は世に知られた書の大家である。雅号は松庵といい、メディアから引く手数多(あまた)の人物だった。

 とある編集者の番記者が今日も、日参して呉竹の邸宅を訪問していた。

「松庵先生っ! ひと筆お願い致します…」

「ああ、君か…。ここんとこ体調がよくないんだ。まだまだ生きたいからね。無理はしないようにしてる。お医者からも仕事は控えるように言われてるからね…」

「そうでしたか。では、次の機会には是非…」

「ああ、分かってる。君のとこには随分、お世話になってるからね」

「つかぬことをお()きしますが、松庵先生はお幾つになられましたか?」

「ははは…今年で93じゃよ。まだ20年は生きようと思っとる」

「当然ですっ! まだまだ頑張って戴かないと…」

 番記者は、えっ! もう、これ以上いいだろ…とは思ったがそうとも言えず、笑って(ぼか)した。

 このように寿命の長い人もいれば、短いニワトリもいる訳です。寿命だけは理想どおりとはいきませんね。^^


                   完

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