-17- 工事
しなくてもいいのに、どういう訳か年度末になればアチラコチラと工事が開始される。^^ そんな予算を毎年、慣例のように配分(予算要求)しているから財政赤字が膨らむんですよ…などと考えるのは、間違っていますか?^^
とある市役所である。朝から都市計画課の課長と課長補佐が語り合わなくてもいいのに語り合っている。^^
「課長! 奇麗に咲き誇る桜並木を伐採して、いったいどうするってんですっ!!」
「どうするって君、予算が調停され、執行されてんだから仕方ないじゃないかっ!!」
「そりゃまあ、そうなんですがね…。どう考えてもあの開発工事は無駄で必要ないように思えるんですが…」
「必要あろうとなかろうと、毎年、慣例で計上されてる予算を、私にゃどうもならんよっ! 助役か部長に直接、言ってくれっ!」
「そりゃまあ、そうなんですがね…。アソコはユンボで掘り返して、どうなるってもんじゃない土地に思えるんですが…」
「それはそうだな…。アソコは元々、水が湧く溜め池だったからなぁ~」
「でしょ! 過去に西部開発が遊園地にするとかなんとかで開発し始めたのはよかっんたですが、湧水した結果、結局は工事を断念して撤収したでしょ?」
「ああ…そんなこともあったな。言い伝えだと瓦にする土を掘ったあとが溜め池になったっていう話もあるからな…」
「聖徳太子ですか…?」
「ああ、和を以って尊しとなす・・ってお方だ…」
「十七条憲法ですか…。そんな偉いお方と工事は関係ないでしょ!」
「ああ、まあそうだが…。理想は、心が癒される風光明媚な景観なんだがね…」
「今の社会じゃ、理想どおりって訳にもいきませんかねぇ~」
「ああ、一歩外へ出りゃ、工事だらけの国だからねぇ~」
「もう、やめましょ! 腹が立ってきました…」
「ああ…」
二人は語り合わなくてもいいのに語り合うことをやめた。^^
理想はムダな工事がなくなることですが、そうもいかないのが今の社会の風潮です。工事が多い年は景気がよくないと言われますが、本当でしょうか?^^
完