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-14- 境遇

 どんな境遇に生まれようと確固とした信念を持ち、世のため人のために尽くすのが理想だ…などと言うそんなつもりは毛頭ない。へへへ…お金に少しも不自由せず、美味しいものを鱈腹、食べられ、快適な豪邸に住み、世界の人々を病や貧苦から救える地位や名誉もあり、世界を動かす闇将軍などと(うわさ)され、奇麗な妻を迎え、多くの子孫に恵まれ、健康に長寿を全うする…そんな境遇が理想に決まってるでしょう。^^ しかし、そんな境遇に生まれつくのは夢のまた夢に違いありませんが…。^^

 世界を動かす大財閥を指揮してきた老人は、事業を子や孫に(ゆだ)ね、ゆったりと温暖で快適な外地で余生を送っていた。とはいえ、世界の動静を知らせる情報は闇ルートから日夜、伝わり、執事から報告されていた。

「旦那様、昨夜、アメリカの大統領から極秘裏の食事をどうですか? という打診がありましたが、いかが致しましょう?」

「ああ、チェス君か…。彼とは長いこと会っとらんからなぁ~。いいだろう、美味しい馳走でもてなすことにしよう…。日時や手配は頼んだよ」

「かしこまりました。では、そのように…」

 静かに一礼すると、執事は空調が整った豪華で快適な部屋から退出した。老人は考えた。今の暮らしは自分が理想とする最高の境遇なんだろうか…と。

 常識的にこの老人の境遇を考えればいいに決まっている訳ですが、境遇が良すぎれば分からなくなるものなのでしょう。自分の本質を生かせるいい境遇に生まれたいものですね。^^


                   完

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