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第1話「異世界への招待状」

都会のビル群に囲まれたオフィス街。七樹陽介ななきようすけは今日も満員電車に揺られ、会社のデスクに座った。彼は人のいい性格で、同僚からの頼みごとを断ることもなく、上司にはいつも好印象を持たれる「いい人」だった。けれど、その「いい人」がいつしか自分自身を追い詰めることになるとは、誰も気づいていなかった。


昼食後、突然の胸の痛みが陽介を襲う。目の前が真っ白になり、彼はデスクに倒れ込んだ。


次に目を開けたとき、そこは白い空間だった。何もない無限に広がる世界。自分が死んだことに気づいた陽介は混乱する。


そのとき、ふわりとした穏やかな声が響いた。


「おぬしをここに連れてきたのは、わしの不注意じゃ。なんとも、申し訳ないことをしたのぉ。」


現れたのは、どこか品のある老紳士の姿をした神様だった。陽介は思わず叫んだ。「えっ! えっ! 死んだってどういうことですか!?」


神様は申し訳なさそうに事の経緯を説明した。どうやら人選を間違えて陽介を死なせてしまったというのだ。


「では、元の世界に戻してください!」陽介は当然の要求をする。しかし、神様は困った顔をして答える。「おぬしの世界では、時間の流れが違うのじゃ…。おぬしの体は、今まさに荼毘に服されようとしておる。」


陽介の目は見開かれ、口からは言葉が出なかった。


「それでじゃ、わしの提案なのだが――」神様は、まるでプレゼントを渡すかのような口調で続ける。「別の世界で新たに生きてみぬか? 強力な力と、この『万能アイテムボックス』を授けよう。」


その言葉に陽介は、信じられないという表情を浮かべたが、選択肢が他にないことを悟る。どんな世界なのか、何が待ち受けているのかはわからない。それでも、また生きるチャンスをもらえるなら、やるしかない。


神様はにっこり微笑み、陽介を「異世界」へ送り出した。そして、気づいたときには、青い空と広大な草原が広がる新たな世界に立っていた。

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